■派遣先の講ずべき措置
(1)派遣元事業主(労働者派遣法の規定による許可を受け、又は届出書を提出し
た事業主)以外の労働派遣事業を行う事業主からの労働者派遣の受け入れ
禁止(法24条の2)
(2)労働者派遣契約に関する措置(法39条)
労働者派遣(紹介予定派遣を除く)を受けようとする者は、事前面接や履歴
書送付等をしないように努めなければならない
(3)適正な派遣就業の確保等(法40条)
①苦情の申出を受けたときは、苦情の適切かつ迅速な処理を図らなければな
らない
②派遣先は、適切な就業環境の維持等必要な措置を講ずるように努めなけれ
ばならない
(4)派遣先責任者(法41条)
①派遣先は、派遣先責任者を選任しなければならない
②派遣元責任者は、必ず選任しなければならないが、派遣先責任者は、派遣
労働者と雇用する労働者の合計数が5人以下(5人を超えない)のときは、
選任の必要はない
(5)派遣先管理台帳(法42条1項、2項、則35条3項)
①派遣先は、派遣先管理台帳を作成し、所定の事項を記載しなければならな
い(労働派遣期間が1日を超えないときを含めて)
②3年間保存
③派遣労働者と雇用する労働者の合計数が、5人を超えないときは、作成及
び記載を要しない(5人以下)
*「緊急違法派遣一掃プラン」
平成20年2月の改正後、違法派遣・偽装請負の一掃に向けて努力していく
こととした
(6)労働者派遣の役務の提供を受ける期間(法40条の2、平成15年厚労告446
号)
業務の種類 | 派遣可能期間 | |
① | 下記②~⑤以外の業務 |
最長3年まで(1年超のときは 労働者の過半数で組織する労 働者等の意見聴取必要) |
② | 26業務 | 制限なし |
③ |
事業の開始、転換、拡大、縮小 又は廃止のための業務であって、 一定の期間内(3年以内)に完了 することが予定されているもの |
当該業務が完了するまでの期間 |
④ |
その業務の1箇月間に行われる 日数が、当該派遣就業に係る 派遣先に雇用される通常の労働 者の1箇月間の所定労働日数に 比し相当程度少なく、かつ、 10日以下である業 務 |
制限なし |
⑤ |
派遣先の雇用される労働者が 産前・産後休業、育児休業、 介護休業又はこれに準ずる 休業として厚生労働省令で定 める休業をする場合における 当該労働者の業務 |
制限なし |
*物の製造の業務についての派遣可能期間は、平成19年3月1日前は、
1年とされていた
*派遣先は、派遣期間の制限に抵触することとなる最初の日を通知し
なければならない
*厚生労働大臣は、政令の制定若しくは改正しようとするときは、
あらかじめ、労働政策審議会の意見を聞かなければならない
(7)派遣労働者の雇用
①雇用の努力義務(法40条の3)
次の場合、雇用の努力義務が発生する
継続して1年以上派遣可能期間以内の役務の提供を受けた場合
同一の業務に従事させるため役務を受けた期間(派遣実施期間)
同一の業務に派遣実施期間継続して従事した派遣労働者
同一の業務に従事することを希望する旨を派遣先に申し出た
*派遣実施期間の途中で代わった場合は、発生しない
②派遣可能期間を超えて派遣労働者を使用しようする場合の雇用義務(法40
条の4)
次の場合、雇用契約申し込みの義務が発生する
派遣期間の制限のある業務について、抵触日以降も通知の対象となった派
遣労働者を使用する場合には、派遣先は、派遣先に雇用されることを希望
する派遣労働者に対して上記義務を負う
*派遣受入期間中に後退した場合であっても、抵触直前に受け入れた派遣
労働者に対して上記義務が発生する
③派遣期間の制限がない業務に3年を超えて同一の派遣労働者を受け入れて
いる場合の雇用義務(法40条の5)
次の場合、雇用契約申込み義務が発生する
派遣期間の制限のない業務であって、同一の業務に3年を超えて受け入れ
ており、同一の業務に新たな労働者を雇い入れようとする場合、派遣先に
は上記の義務が発生する
*派遣実施期間中の途中で代わった場合は発生しない