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労働組合法

目的

 

 労働組合法は、労働3権団結団体交渉権団体行動権(争議権)を保障する

 

 憲法28条は、「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利

 は、これを保障する」として、労働3権を認めている

 

労働組合

 

労働組合の定義

 

「労働組合」として、次の(1)から(4)の場合は、原則として該当しない

 

 (1) 監督的地位にある労働者その他使用者の利益を代表する者の参加を許す場合

 (2) 経費の支出につき使用者の経理上の援助を受ける場合

 (3) 福利事業のみを目的とする場合

 (4) 政治運動又は社会運動を目的とする場合

 

 

労働者の定義

 

 職業の種類を問わず、賃金、給料その他これに準ずる収入によって生活する者

 

  *現に就業していると否とを問わない

 

団体交渉

 

 労働組合の代表者又は労働組合の委任を受けた者は、労働組合又は組合員のために

 使用者又はその団体と労働協約その他の事項に関して交渉する権限を有する

 

免責

 

 1.刑事免責(法1条2項)

 

  刑法第35条[正当行為]の規定は、労働組合の団体交渉その他の行為にあって第1

  条第1項に掲げる目的を達成するためにした正当なものにつては適用があるもの

  とする。但し、いかなる場合においても、暴力の行使は、労働組合の正当な行為

  と解釈されてはならない

 

 2.損害賠償(法8条)

 

  使用者は、同盟罷業その他の争議行為であって正当なものによって損害を受けた

  ことの故をもって、労働組合又はその組合員に対して賠償を請求することはでき

  ない。

 

不当労働行為

 

 1.不当労働行為(法7条)

 

  (1)から(5)の述べる使用者の行為が不当労働行為として禁止されている

 

  (1) 不利益取扱い

  (2) 黄犬契約の締結

  (3) 団体交渉拒否

  (4) 支配介入

  (5) 経費援助

 

 2.ショップ制

 

  労働組合の組合員資格と従業員としての資格の関係を定める制度

  通常、労働協約上の条項として規定される

 

  次に3種類がある

 

   ①オープンショップ制

 

     労働組合に加入するかどうかは自由

 

   ②ユニオンショップ制

 

     特定の労働組合に加入することを強制される

 

   ③クローズドショップ制

 

     特定の労働組合の組合員であることが雇用条件

     この場合、使用者は、特定の労働組合の組合員でなければ採用できず、

     労働者が組合員でなくなった場合には解雇しなければならない

 

労働協約

 

 1.成立要件(法14条)

 

  書面を作成し、両当事者が署名し、又は記名押印すること

 

 2.有効期間(法15条)

 

  (1)3年を超える定をすることはできない

  (2)3年を超えている定は、3年とみなす

  (3)有効期間の定めのないものは、当事者の一方が、相手方に署名又は記名押

     印した文書で予告して、解約することができる

  (4)予告は、少なくとも90日前に予告しなければならない

 

 2.労働協約の効力

 

  (1)規範的効力

 

    法令>労働協約>就業規則>労働契約

 

  (2)一般的拘束力

 

   一の工場事業所に常時使用される同種の労働者の4分の3以上の数の労働者が

   一の労働協約の適用を受けるに至ったときは、当該工場事業所に常時使用され

   る他の同種の労働者に関しても、当該労働協約は適用されるものとする 

   *著しく不合理であると認められる特段の事情があるときを除く

 

  (3)地域的の一般的拘束力

  

   ①一の地域において大部分が一の労働協約の適用を受けるに至ったたときは、

    当事者双方か又は一方の申し立てに基づき、労働委員会の決議により、厚生

    労働大臣又は都道府県知事はその適用を受けるべきことを決定することがで

    きる

   ②労働委員会は、決議する場合において当該労働協約に不適当な部分があると

    認めたときは、これを修正できる

 

労働委員会

 

 1.労働委員会の種類と権限

 

  (1)使用者委員、労働者委員、公益委員各同数をもって組織する 

  (2)中央労働委員会及び都道府県労働委員会とする

  (3)次の権限を有する

 

   ①労働組合の資格及び法人格取得の審査

   ②地域的の一般的拘束力による労働協約の拡張適用の決議

   ③不当労働行為の審査等並びに労働争議のあっせん、調停及び仲裁

 

 2.不当労働行為事件の審査及び命令

 

  (1)不当労働行為事件の審査の開始

 

  (2)救済命令等

  

   事実認定に基づいて救済命令等を発する

 

  (3)再審査の申立て

 

   ①使用者は、都道府県労働委員会の救済命令等の受けたときは、15日以内

    に中央労働委員会に再審査の申立てをすることができる

   ②労働組合又は労働者の再審査の申立てについても準用する

 

  (4)取消しの訴えの提起

 

   ①使用者は、再審査の申し立てをしないとき、又は中央労働委員会が救済命

    令等を発したときは、30日内に取消しの訴えを提起することができる

   ②使用者は、中央労働委員会に再審査の申立てをしたときは、その申し立て

    に対する中央労働委員会の救済命令等に対してのみ、取消しの訴えを提起

    することができる

    この訴えについては、行政事件訴訟法の第12条第3項から第5項までの規

    定は適用されない 

   ③前項の規定は、労働組合又は労働者が行政事件訴訟法の定めるところによ

    り提起する取消の訴えについて準用する

 

    *労働組合や労働者の場合は、処分があったことを知った日から6箇月以

     内に提起すればよい

 

  (5)救済命令等の確定

 

   ①使用者が、取消しの訴えを提起しないときは、救済命令等は確定する

   ②使用者が確定した救済命令等に従わないときは、地方裁判所にその旨

    を通知しなければならない

    この通知は、労働組合及び労働者にもすることができる

 

  (6)罰則

 

   救済命令等が判決で確定した場合に、もし、その違反があったときは、その行

   為をした者に、1年以下の禁固若しくは100万円以下の罰金に処し、又は併

   科する

 

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