プリンターで印刷してご利用ください。

平成25年第45回社労士労基法・安衛法択一式試験問題

100 点満点 ( 合格点 70 点 )

制限時間 30 分

問題 1.

労働基準法に定める就業規則に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  A 労働基準法第91条に規定する減給の制裁に関し、平均賃金を算定すべき事由の発生した日は、減給制裁の事由が発生した日ではなく、減給の制裁が決定された日をもってこれを算定すべき事由の発生した日とされている。
  B 臨時の賃金等を除く賃金の決定、計算及び支払いの方法に関する事項は、労働基準法第89条において、就業規則のいわゆる絶対的必要記載事項となっている。
  C 派遣労働者に関して、労働基準法第89条により就業規則の作成義務を負うのは、派遣中の労働者とそれ以外の労働者を合わせて常時10人以上の労働者を使用している派遣元の使用者である。
  D 労働基準法第89条の規定により、常時10人以上の労働者を使用するに至った使用者は、同条に規定する事項について就業規則を作成し、所轄労働基準監督署長に届け出なければならないが、従来の慣習が当該事業場の労働者のすべてに適用されるものである場合、当該事項については就業規則に規定しなければならない。
  E 行政官庁は、就業規則が当該事業場について適用される労働協約に抵触する場合には、当該就業規則の変更を命ずることができる。

問題 2.

労働基準法に定める年次有給休暇に関する次のアからオの記述のうち、正しい者の組み合わせは、AからEまでのうちどれか。
ア 使用者は、労働基準法第32条の3の規定によりその労働者に係る始業及び終業の時刻をその労働者の決定にゆだねる、いわゆるフレックスタイム制の適用を受ける労働者についても、同法第39条第6項の定める年次有給休暇の計画的付与の対象とすることができる。
イ 労働基準法第39条の規定による年次有給休暇の期間又は時間については、平均賃金、所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金又は健康保険法第99条第1項に定める標準報酬日額に相当する金額のいずれかを、年次有給休暇を取得した労働者の指定するところに従い支払わなければならない。
ウ 労働基準法第39条に定める年次有給休暇の付与要件の1つである「継続勤務」には、私傷病により休職とされていた者が復職した場合の当該休職期間は含まれない。
エ 労働基準法第136条の規定において、使用者は、同法第39条の規定による年次有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしてはならないことが罰則付きで定められている。
オ 労働基準法第39条第4項の規定により、労働者が、例えばある日の午前9時から午前10時までの1時間という時間を単位としての年次有給休暇の請求を行った場合において、使用者は、そのような短時間であってもその時間に年次有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げるときは、同条第5項のいわゆる時季変更権を行使することができる。

  A (アとイ)
  B (アとオ)
  C (イとウ)
  D (ウとエ)
  E (エとオ)

問題 3.

労働基準法に定める労働時間等に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

  A 労働組合のない事業場において、労働基準法第36条の規定に基づく時間外労働・休日労働に係る労使協定(以下「36協定」という。)を締結する場合、労働者側の締結当事者たる「労働者の過半数を代表する者」を選出するときの当該事業場の労働者数の算定に当たっては、当該事業場で雇用されて働いているパート、アルバイト等は含まれるが、当該事業所に派遣されて現に指揮命令を受けて働いている派遣労働者は含めない。
  B 1日及び1か月における時間外労働、休日労働及び深夜業各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げること、1時間当たりの賃金額及び割増賃金額に円未満の端数が生じた場合に、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げること並びに1か月における時間外労働、休日労働及び深夜業の各々の割増賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合に、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げることは、いずれも労働基準法第24条及び第37条違反としては取り扱わないこととされている。
  C 労働基準法施行規則第23条の規定に基づく断続的な宿直又は日直勤務としての許可は、状態としてほとんど労働する必要のない勤務のみを認めるものであり、定時的巡視、緊急の文書または電話の収受、非常事態に備えての待機等を目的とするものに限って許可することとされている。
  D 労働基準法においては、労働時間、休日、深夜業等についての規定を設けていることから、使用者は労働時間を適正に把握するなど労働時間を適切に管理する責務を有していることは明らかであり、使用者が行う始業・終業時刻の確認及び記録の原則的方法としては、使用者が自ら現認することにより確認して記録すること又はタイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し記録することが求められている。
  E 事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合において、使用者が、その労働組合と36協定を締結し、これを行政官庁に届け出た場合、その協定が有する労働基準法上の効力は、当該組合の組合員でない他の労働者にも及ぶ。

問題 4.

労働基準法に定める妊産婦等に関する次のアからオの記述のうち、正しい者の組み合わせは、AからEまでのうちどれか。
ア 派遣中の派遣労働者が、労働基準法第67条第1項の規定に基づく育児時間を請求する場合は、派遣元事業主に対してではなく、派遣先の事業主に対して行わなければならない。
イ 使用者は、妊娠100日目の女性が流産した場合については、労働基準法第65条に規定する産後休業を与える必要はない。
ウ 労働基準法では、「妊産婦」は、「妊娠中の女性及び産後6か月を経過しない女性」とされている。
エ 労働基準法第65条第3項においては、「使用者は、妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない」と規定されているが、派遣中の派遣労働者が同項の規定に基づく請求を行う場合は、派遣元の事業主に対してではなく、派遣事業主に対して行わなければならない。
オ 使用者は、労働基準法第66条第2項の規定に基づき、妊産婦が請求した場合においては、同法33条第1項及び第3項並びに第36条第1項の規定にかかわらず、時間外労働をさせてはならず、又は休日労働をさせてはならない。

  A (アとイ)
  B (アとオ)
  C (イとウ)
  D (ウとエ)
  E (エとオ)

問題 5.

労働基準法の総則に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  A 労働基準法第1条にいう「労働条件」とは、賃金、労働時間、解雇、災害補償等の基本的な労働条件を指し、安全衛生、寄宿舎に関する条件は含まれない。
  B 労働基準法は労働条件の最低基準を定めたものであり、この最低基準が標準とならないように、同法は、この最低基準を理由として労働条件を低下させることを禁止し、その向上を図るように努めることを労働関係の当事者に義務付けている。
  C 労働基準法第2条第1項が、「労働条件は、労働者と使用者が、対等な立場において決定すべきである。」との理念を明らかにした理由は、概念的には対等である労働者と使用者との間にある現実の力関係の不平等を解決することが、労働基準法の重要な視点であることにある。
  D 労働基準法第3条は、すべての労働条件について差別待遇を禁止しているが、いかなる理由に基づくものもすべてこれを禁止いているわけではなく、同条で限定的に列挙している国籍、信条又は社会的身分を理由とする場合のみを禁じている。
  E 労働基準法第4条は、性別による差別のうち、特に顕著な弊害が認められた賃金について、罰則をもって、その差別的取扱いを禁止したものである。

問題 6.

労働基準法に定める労働契約等に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

  A 労働基準法は、同法の定める基準に達しない労働条件を定める労働契約について、その部分を無効にするだけでなく、無効となった部分を同法所定の基準で補充することを定めている。
  B 使用者は、満60歳以上の労働者の間に、5年以内の契約期間の労働契約を締結することができる。
  C 使用者は、期間の定めのある労働契約であって当該労働契約の期間の満了後に当該労働契約を更新す場合があるものの締結の際に、労働者に対して、期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項を、書面の交付により明示しなければならない。
  D 労働基準法第16条は、労働契約の不履行について違約金を定め又は損害賠償額を予定する契約をすることを使用者に禁止しているが、その趣旨は、このような違約金制度や損害賠償額予定の制度が、ともすると労働の強制にわたり、あるいは労働者の自由意思を不当に拘束し、労働者を使用者に隷属させることとなるので、これらの弊害を防止しようとする点にある。
  E 労働契約を締結する際に、労働者の親権者が使用者から多額の金銭を借り受けることは、人身売買や労働者の不当な足留めにつながる恐れがあるため、当該労働者の賃金と相殺されるか否かを問わず、労働基準法第17条に違反する。

問題 7.

労働基準法第24条に定める賃金の支払等に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、AからEまでのうちどれか。
ア いわゆる通貨払の原則の趣旨は、貨幣経済の支配する社会では最も有利な交換手段である通貨による賃金支払を義務づけ、これによって、価格が不明瞭で換価にも不便であり弊害を招く恐れが多い実物給与を禁じることにある。
イ 行政官庁が国税徴収法の規定に基づいて行った差押処分に従って、使用者が労働者の賃金を控除の上当該行政官庁に納付することは、いわゆる直接払の原則に抵触しない。
ウ いわゆる通貨払の原則は強制的な規制であるため、労働協約に別段の定めがある場合にも、賃金を通貨以外の者で支払うことは許されない。
エ いわゆる全額払の原則の趣旨は、使用者が一方的に賃金を控除することを禁止し、もって労働者に賃金の全額を確実に受領させ、労働者の経済生活を脅かすことのないようにしてその保護を図ろうとするものというべきであるとするのが、最高裁判所の判例である。
オ 退職金は労働者にとって重要な労働条件であり、いわゆる全額払の原則は強制的な規制であるため、労働者が退職に際し退職金債権を放棄する意思表示をしたとしても、同原則の趣旨により、当該意思表示の効力は否定されるとするのが、最高裁判所の判例である。

  A (アとウ)
  B (アとエ)
  C (イとエ)
  D (イとオ)
  E (ウとオ)

問題 8.

労働安全衛生法第66条の8の規定により事業者が行う面接指導に関する次の記述のうち、同条の規定により事業者に義務付けられているものとして、誤っているものはどれか。

  A 事業者は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1月当たり100時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる労働者であって、法定の除外事由に該当しないものに対し、労働安全衛生規則で定めるところにより、医師による面接指導を行わなければなrない。
  B 事業者は、面接指導の結果に基づき、法定の事項を記載した当該面接指導の結果の記録を作成して、これを5年間保存しなければならない。
  C 面接指導の対象となる労働者が、事業者の指定した医師が行う面接指導を受けることを希望しない場合において、他の医師の行う法定の面接指導に相当する面接指導を受け、その結果を証明する書面を事業者に提出した場合においても、事業者が行う面接指導を必ず受けなければならない。
  D 事業者は、面接指導の結果に基づく医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講ずるほか、当該医師の意見の衛生委員会若しくは安全衛生委員会又は労働時間等設定改善委員会(労働時間等の設定の改善に関する特別措置法第7条第1項に規定する労働時間等設定改善委員会をいう。)への報告その他の適切な措置を講じなければなrない。
  E 事業者は、面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、面接指導が行われた後、遅滞なく、医師の意見を聞かなければなrない。

問題 9.

労働安全衛生法に基づく監督等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  A 事業者は、労働安全衛生法第88条第3項の規定に基づき、建設業に属する事業の仕事のうち重大な労働災害を生ずるおそれがる特に大規模な仕事で、厚生労働省令で定めるものを開始しようとするときは、その計画を当該仕事の開始の日の30日前までに厚生労働大臣に届け出なければならず、厚生労働大臣は届出のあった当該仕事の計画のうち、高度の技術的検討を要するものについて審査をし、審査の結果必要があると認めるときは、当該届出をした事業者の意見をきいた上で、届出をした事業者に対し、労働災害の防止に関する事項について必要な勧告をすることができる。
  B 都道府県労働局長は、労働衛生指導医を労働安全衛生法第65条第5項の規定による作業環境測定の実施等の指示又は同法第66条第4項の規定による臨時の健康診断の実施等の指示に関する事務その他労働者の衛生に関する事務に参画させるために必要と認めるときは、労働衛生指導医をして事業場に立ち入り、関係者に質問させることができる。
  C 厚生労働大臣は、労働安全衛生法第93条第2項又は第3項の規定による労働災害の原因の調査が行われる場合に、当該労働災害の規模その他の状況から判断して必要があると認めるときは、独立行政法人労働安全衛生総合研究所に当該調査を行わせることができる。
  D 労働者が事業場内における負傷により休業の日数が2日の休業をしたときは、事業者は、遅滞なく、所定の様式による報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
  E 労働安全衛生法施行令第1条第3号で定めるボイラー(同条第4号の小型ボイラーを除く。)の破裂が発生したときは、事業者は、遅滞なく、所定の様式による報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

問題 10.

次の機械等(本邦の地域内で使用されないことが明らかな場合を除く。)のうち、労働安全衛生法第37条第1項の規定に基づき、製造しようとする者が、厚生労働省令で定めるところにより、あらかじめ都道府県労働局長の許可を受けなければならないものとして正しいものはどれか。

  A フォークリフト
  B 作業床の高さが2メートルの高所作業車
  C 不整地運搬車
  D 直流電圧が750ボルトの充電電路について用いられる活線作業用装置
  E つり上げ荷重が5トンの移動式クレーン

平成25年(第45回)解答・解説ページへ