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平成21年第41回社労士労基法・安衛法択一式試験問題

100 点満点 ( 合格点 70 点 )
制限時間 30 分

問題 1.

労働基準法の総則等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  A 使用者は、労働協約、就業規則及び労働契約を遵守し、誠実にその義務を履行しなければならないが、使用者よりも経済的に弱い立場にある労働者についてはこのような義務を定めた規定はない。
  B 労働基準法第3条が禁止する労働条件についての差別別取扱いには、雇入れにおける差別も含まれるとするのが最高裁判所の判例である。
  C 労働基準法第4条が禁止する女性であることを理由とする賃金についての差別的取扱いには、女性を男性より有利に取扱う場合は含まれない。
  D 労働基準法第5条が禁止する労働者の意思に反する強制労働については、労働基準法上最も重い罰則が定められている。
  E 労働者が労働審判手続きの労働審判員として職務を行うことは、労働基準法第7条の「公の職務」に該当しないため、使用者は、労働審判員に任命労働者が労働時間中にその職務を行うために必要な時間を請求した場合、これを拒むことができる。された

問題 2.

労働基準法に定める労働契約に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  A 労働基準法で定める基準に違反する労働条件を定める労働契約の部分は、労働基準法で定める基準より労働者に有利なものも含めて、無効となる。
  B 労働契約の期間に関する事項、就業の場所及び従事すべき業務に関する事項は、使用者が、労働契約の締結に際し、労働者に対して書面の交付によって明示しなければなrない事項の中に含まれている。
  C 使用者は、産前産後の女性が労働基準法第65条の規定によって休業する期間及びその後30日間は、やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合であっても、解雇してはならない。
  D 使用者が、労働基準法第20条所定の予告期間を置かず予告手当の支払もしないで労働者に解雇の通知をした場合には、解雇の通知後30日の期間を経過したとしても解雇の効力は発生しないとするのが最高裁判所の判例である。
  E 使用者は、労働者の席に帰すべき事由によって解雇する場合には、労働者の帰責性が軽微な場合であっても、労働基準法第20条所定の解雇予告手当及び予告手当の支払義務を免れる。

問題 3.

労働基準法に定める就業規則等に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

  A 常時10人以上の労働者を使用する使用者は就業規則を作成する義務を負うが、週の所定労働時間が20時間未満のパートタイム労働者は、この労働者数の算定に含まれない。
  B 使用者は、パートタイム労働者など当該事業場の労働者の一部について、他の労働者と異なる労働条件を定める場合には、当該一部の労働者にのみ適用される別個の就業規則を作成することもできる。
  C 使用者が就業規則に記載すべき事項には、いかなる場合であっても必ず記載しなければならない事項(いわゆる絶対的必要記載事項)と、その事項について定めをする場合には必ず記載しなければならない事項(いわゆる相対的必要記載事項)とがある。
  D 使用者は、就業規則の作成だけでなく、その変更についても、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合にはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合には労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。
  E 労働基準法第106条は、就業規則を労働者に周知する義務を定めているが、労働者全員が集まる集会の場で会社の人事担当責任者がその内容を口頭で詳しく説明するという方法をとっただけでは、この義務を果たしたとものとは認められない。

問題 4.

労働基準法に定める賃金等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  A 賃金は通貨で支払わなければならず、労働協約に定めがある場合であっても、小切手や自社製品などの通貨以外のもので支払うことはできない。
  B 賃金は直接労働者に支払わなければならず、労働者の委任を受けた弁護士に賃金を支払うことは労働基準法第24条違反となる。
  C 労働者が賃金債権を第三者に譲渡した場合、譲渡人である労働者が債務者である使用者に確定日付のある証書によって通知した場合に限り、賃金債権の成就人は使用者にその支払いを求めることが許されるとするのが最高裁判所の判例である。
  D 労働基準法第24条第1項の定めるいわゆる賃金全額払の原則は、使用者が労働者に対して有する債権をもって労働者の賃金債権と相殺することを禁止する趣旨をも包含するものであり、使用者の責めに帰すべき事由によって解雇された労働者が解雇無効期間中に他の職について得た利益を、使用さhが支払うべき解雇無効期間中の賃金額から控除して支払うことはおよそ許されないとするのが最高裁判所の判例である。
  E いわゆる年俸制で賃金が支払われる労働者についても、労働基準法第24条第2項のいわゆる毎月1回以上一定期日払の原則は適用されるため、使用者は、例えば年俸額(通常の賃金の年額)が600万円の労働者に対しては、毎月一定の期日を定めて1月50万円ずつ賃金を支払わなければならない。

問題 5.

労働基準法に定める労働時間等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  A 労働安全衛生法に定めるいわゆる特殊健康診断が法定労働時間外に行われた場合には、使用者は、当該健康診断に要した時間について、労働基準法第37条第1項の規定による割増賃金を支払わなければならない。
  B 使用者から会議への参加を命じられた場合に、その会議が法定労働時間を超えて引き続き行われた時は、使用者は、当該引き続き行われた時間について、労働基準法第37条第1項の規定による割増賃金を支払わなければならない。
  C 労働安全衛生法に定める安全委員会の会議が法定労働時間外に行われた場合には、使用者は、当該会議への参加に要した時間について、労働基準第37条第1項の規定による割増賃金を支払わなければならない。
  D 労働者を就業規則に定める休憩時間に来客当番として事務所の待機させたが、その時間に実際に来客がなかった場合には、休憩時間以外の労働時間が法定労働時間どおりであれば、使用者は、労働基準法第37条第1項の規定による割増賃金を支払い義務はない。
  E 労働安全衛生法に定めるいわゆる一般健康診断が法定労働時間外に行われた場合には、使用者は、当該健康診断の受診に要した時間について、労働基準のう第37条第1項の規定による割増賃金を支払う義務はない。

問題 6.

労働基準法に定める休憩及び休日に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  A 使用者は、労働者が事業場内において自由に休憩し得る場合であっても、休憩時間中に外出することについて所属長の許可を受けさせてはならない。
  B 使用者は、所定労働時間が5時間である労働者に1時間の所定労働時間外の労働を行なわせたときは、少なくとも45分の休憩時間を労働時間中に与えなければならない。
  C 建設の事業の事業場においては、所轄労働基準監督署長の許可を受ければ、労働者に一斉に休憩を与えなければならない。
  D ①番方編成による交代制によることが就業規則により定められており、制度として運用されていること、及び②各番方の交代が規則的に定められているものであって、勤務割表等によりその都度設定されるものではないことの要件を満たす8時間3交代制勤務の事業場において、使用者が歴日ではない、継続24時間の休憩を与えても、労働基準法第35条の休日を与えたことにはならない。
  E 就業規則に休日の振替を必要とする場合には休日を振り返ることができる旨の規定を設けている事業場においては、当該規定に基づき休日を振り返る前にあらかじめ振り返るべき日を特定することによって、4周4日の休日が確保される範囲内において、所定の休日と所定の労働日とを振り返ることができる。

問題 7.

労働基準法に定める寄宿舎に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  A 事業の附属の寄宿舎に労奏者を寄宿させる使用者は、事業の附属寄宿舎に寄宿する労働者の外泊について使用者の承認を受けさせることができる。
  B 事業の附属寄宿舎に労働者を寄宿させる使用者は、事業の附属寄宿舎の寮長を選任しなければならない。
  C 事業の附属の寄宿舎に労働者を寄宿させる使用者は、起床、就寝、外出及び外泊に関する事項、行事に関する事項、食事に関する事項、安全及び衛生に関する事項、並びに建設物及び設備の管理に関する事項について寄宿舎規則を作成し、所轄労働基準監督署長に届け出なければならない。
  D 使用者が、事業の附属寄宿舎んの寄宿舎規則を作成する場合には、当該事業場に、労働者の過半すで組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の同意を得なければなrない。
  E 使用者は、常時10人以上の労働者を就業させる事業の附属寄宿舎を設置しようとする場合においては、厚生労働省令で定める危害防止等に関する基準に従い定めた計画を、工事着手30日前までに、所轄労働基準監督署長に届け出なければならない。

問題 8.

労働安全衛生法に定める安全委員会、衛生委員会及び安全衛生委員会に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  A 安全委員会を設けなければならない事業場においては、衛生委員会を設けなければならない。
  B 安全衛生委員会の構成員には、事業者が指名した産業医を加えなければなrない。
  C 安全衛生委員会の構成員の総数については、事業場の規模作業の実態等に応じ定められていて、事業者が適宜に決めることはできない。
  D 衛生委員会を設けなければならない事業者は、衛生委員会を毎月1回以上開催するようにしなければならない。
  E 事業者は、安全委員会を開催した時は、遅滞なく、当該安全委員会の議事の概要を所定の方法によって労働者に周知させなければならない。

問題 9.

労働安全衛生法第66条の8に定める「医師による面接指導」等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  A 事業者は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が①つきあたり100時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められる労働者に対しては、本人の申出の有無のかかわらず、面接指導を実施しなければならない。
  B 産業医の選任義務のない常時50人未満の労働者を使用する事業場の事業者であっても労働安全衛生法第66条の8の適用はあり、同条に定める措置を講ずる必要があるので、国が同法第19条の3に規定する援助として行う労働者の健康管理等に係る業務についての相談その他の必要な援助の事業を利用して、面接指導を実施することができる。
  C 労働安全衛生法が定める衛生委員会の調査審議事項には、長時間にわたる労働による労働者の健康障害の防止を図るための対策の樹立に関する事項が含まれている。
  D 事業者は、面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、医師の意見を聞かなければならない。
  E 事業者は、面接指導の結果に基づき、当該面接指導の結果の記録を作成して、これを5年間保存しなければならない。また、当該記録は、労働安全衛生規則第52条の5の定める事項のほか、当該労働者の健康を保持するために必要な措置についての医師の意見を記載した者でなければなrない。

問題 10.

労働安全衛生法に定める技能講習等に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  A フォークリフト運転技能講習を受講しようとするものは、当該技能講習を実施する所轄労働基準監督署長に技能講習受講申込書を提出しなければならない。
  B フォークリフト運転技能講習を修了した者は、当該技能講習終了により就くことができるフォークリフトの運転業務に従事する場合は、フォークリフト運転技能講習を修了したことを証する書面を携帯している必要はない。
  C 事業者は、最大荷重が1トン未満のフォークリフトの運転の業務については、労働安全衛生法第59条第3項のいわゆる特別教育を行わなければならない。
  D 各種商品卸売業及び各種商品小売業の事業者が、当該事業場の倉庫内で、労働者を最大荷重が1トン以上のフォークリフトの運転の業務に就かせる場合については、労働安全衛生法第61条第1項に定める就業制限の適用は除外される。
  E 労働安全衛生法第61条第1項に定める資格を有しない個人事業主が、当該事業場の倉庫内で、最大荷重が1トン以上のフォークリフトの運転の業務に就いた場合については、労働安全衛生法の罰則規定は適用されない。