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平成20年第40回社労士労基法・安衛法択一式試験問題

100 点満点 ( 合格点 70 点 )

制限時間 30 分


問題 1.

労働基準法上の総則及び労働契約に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  A 使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神的又は身体的自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。
  B 使用者は、労働契約の不履行について、労働者に対し損害賠償を請求してはならない。
  C 何人も、法律に基づいて許される場合のほか、業として他人の就業に関して利益を得てはならない。
  D 使用者は、前借金と賃金を相殺してはならない。
  E 使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的な取扱をしてはならない。

問題 2.

労働基準法に定める就業規則等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  A 1人でも労働者を使用する事業所においては、使用者は就業規則を作成しなければならない。
  B 就業規則を作成又は変更するに当たっては、使用者は、その事業所に労働者の過半数で組織する労働組合がある時はその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない時は労働者の過半数を代表するもの同意を得なければならない。
  C 使用者は、いかなる場合でも就業規則に制裁の種類及び程度に関する事項を必ず記載しなければならない。また、減給の制裁を就業規則に定める場合には、その減給は1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払い期における総額の10分の1を超えてはならない。
  D 使用者は、就業規則を、書面を労働者に交付する方法によってのみ、労働者に周知させなければならない。
  E 就業規則が法令又は当該事業所に適用される労働協約に抵触する場合には、行政官庁は、当該就業規則の変更を命ずることができる。

問題 3.

労働基準法に定める賃金等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  A 使用者は、賃金を通貨で支払わなければならないが、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある時はその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない時は労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、通貨以外のもので支払うことができる。
  B 使用者は、賃金を、銀行に対する労働者の預金への振込によって支払うためには、当該労働者の同意を得なければなrない。
  C 使用者は、1か月を超える期間の出勤成績によって支給される精勤手当について、毎月1回以上支払わなければならない。
  D 賃金は、直接労働者に、支払わなければならないが、未成年者の親権者又は後見人は、その賃金を代わって受け取ることができる。
  E 使用者は、賃金の全額を支払わなければならないが、労働協約に別段の定めがある場合に限って、賃金の一部を控除して支払うことができる。

問題 4.

労働基準法に定める労働時間等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  A 労働基準法が規制対象する労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、その具体的な判断においては、労働契約、就業規則、労働協約などの定めに従い決定されるべきであるとするのが最高裁判所の判例である。
  B 1日6時間、週6日労働させることは、労働時間の原則を定めた労働基準法第32条の規定に反するものとなる。
  C 使用者は、労働基準法第34条第3項に基づき、休憩時間を自由に利用させなければならないこととされており、使用者がその労働者に対し休憩時間内に職場内で政治活動を行うことを禁止することは許されないとするのが最高裁判所の判例である。
  D 労働基準法第38条の4に規定するいわゆる企画業務型裁量労働制を採用する職場には、適用される労働者の同意を得なければならないことにつき労使委員会で決議しなければならないが、労働基準法第38条の3に規定するいわゆる専門業務型裁量労働制の採用に当たって、適用される労働者の同意を得ることについて労使協定で定めることは、労働基準法上求められていない。
  E 労働基準法第41条第2号により、労働時間、休憩及び休日に関する規定の適用が除外されているいわゆる管理監督者については、適用除外の要件として行政官庁の許可を得なければなrない。

問題 5.

労働基準法に定める年次有給休暇に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  A 年次有給休暇の権利は、労働基準法第39条所定の要件を満たすことによって法律上当然に労働者に生ずる権利であって労働者の請求を待って始めて生ずるものでないとするのが最高裁判所の判例である。
  B 労働基準法第39条に基づく年次有給休暇の権利は、雇入れの日から3か月しか経ない労働者に対しては発生しない。
  C 労働者の年次有給休暇の時季指定に対し、労働基準法の趣旨として、使用者は、できるだけ労働者が指定した時季に休暇がとれるよう状況に応じて配慮することが要請されているものとみることができるとするのが最高裁判所の判例である。
  D 労働基準法第39条第6項の規定に基づき、労使協定により年次有給休暇の計画的付与の定めがなされた場合には、使用者は、年次有給休暇の日数のうち5日を超える部分については、労働者の時季指定にかかわらず、当該労使協定の定めに従って年次有給休暇を付与することができる。
  E 使用者は、労働基準法附則第136条の規定により、年次有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益取折扱いをしないようにしなければならないとされているが、不利益な取り扱いの理由について行政官庁の認定を受けた場合は、この規定は適用されない。

問題 6.

労働基準法に定める妊産婦等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  A 使用者は、労働基準法第64条の2の規定により、妊娠中の女性及び坑内で行われる業務に従事しない旨を使用者に申し出た産後1年の経過しない女性については、坑内で行われる業務に就かせてはならないが、それ以外の女性については、男性と同様に行内で行われる業務に就かせることができる。
  B 使用者は、労働基準法第65条第2項の規定により、産後8週間を経過しない女性については、その請求のいかんにかかわらず、就業させてはならない。
  C 使用者は、労働基準法第36条第1項に基づく労使協定が締結されている場合であっても、妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性が請求した場合においては、同法第41条各号に掲げるものであ場合を除き、時間外労働又は休日労働をさせてはならない。
  D 生後6か月の子を養育する男性労働者が、1日に2回各々30分の育児時間を請求したことに対し、使用者がその時間中に当該労働者を使用することは、労働基準法第67条第2項に違反する。
  E 労働基準法第68条は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求した時は、少なくとも月に1日有給で休暇を与えなければならないとなっている。

問題 7.

労働基準法に定める監督機関、雑則、罰則などに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  A 労働基準監督官には、事業場、寄宿舎その他の付属建設物に臨検し、帳簿及び書類の提出を求め、使用者や労働者に対して尋問を行う権限が認められている、
  B 労働者は、事業場に労働基準法違反の事実がある場合には、行政官庁又は労働基準監督官にその事実を申告することができ、使用者は、労働者がこの申告をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他の不利益な取扱いをしてはならない。
  C 労働基準法に基づいて支払うべき賃金又は手当を使用者が支払わなかった時には、裁判所は、労働者の請求により、使用者が支払わなければならに未払金のほか、これと同一額の付加金の支払いを命じなけれbなrない。
  D 労働基準法第116条第2項の規定により、同居の親族のみを使用する事業及び家事使用人については、労働基準法は適用されないものとされている。
  E 労働基準法あh、同法が定める規定に違反する行為をした者に対して罰則を定めているだけでなく、その事業主に対しても罰金刑を科すものとしているが、事業主が違反防止に必要な措置をした場合においては、当該事業主に対して罰金刑は科さないものとしている。

問題 8.

労働安全衛生法に定める総括安全衛生管理者又は安全管理者の選任に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  A 事業者は、常時150人の労働者を使用する清掃業の事業場においては、総括安全衛生管理者を選任しなければならない。
  B 事業者は、常時50人の労働者を使用する旅館業の事業場においては、安全管理者を選任する必要はない。
  C 事業者は、常時250人の労働者を使用する自動車整備業の事業場においては、総括安全衛生管理者を選任しなければならない。
  D 事業者は、常時90人の労働者を使用する運送業の事業場においては、安全管理者を選任する必要はない。
  E 事業者は、常時350人の労働者を使用する各種商品小売業の事業所においては、総括安全衛生管理者を選任する必要はない。

問題 9.

労働安全衛生法に定める所轄労働基準監督署署長への報告書の提出に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  A 事業者は、労働者が事業場ないにおいて負傷、窒息又は急性中毒により休業した日数が3日であった場合、その労働者私傷病報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
  B 事業者は、安全衛生推進者を選任した時は、その安全衛生推進者の氏名を作業場の見やすい箇所に掲示する等により関係労働者に周知しなければならないが、その選任に関する報告書を所轄労働基準監督署長に提出する必要はない。
  C 事業者は、事業場の附属建設物内で、火災の事故が発生した場合、その事故による労働者の負傷、疾病または死亡の労働災害がない時であっても、遅滞なく、その事故報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
  D 事業者は、安全衛生委員会を毎月1回以上開催し、開催の都度、遅滞なく、その委員会の議事の概要を労働者に周知するとともに、その開催状況等を記載した報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
  E 常時使用する労働者が40人の事業所が、1年以内ごとに1回、定期に健康診断を行った場合、当該事業所は、その定期健康診断結果報告書を所轄労働基準監督署長に提出する必要はない。

問題 10.

労働安全衛生法で定める特定元方事業者又は統括安全衛生責任者に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  A 特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者が同一の場所で混在して仕事をすることによって生ずる労働災害を防止するため、労働安全衛生法施行令第7条第2項で定める仕事の区分により、統括安全衛生責任者を選任しなければならないが、この場合、その労働者及び関係請負人の労働者が常時40人のずい道の建設の仕事については、統括安全衛生責任者を選任する必要はない。
  B 労働安全衛生法第15条第2項は、「統括安全衛生責任者は、当該場所においてその事業の実施を統括管理する者を持って充てなければならない」と規定しており、統括安全衛生責任者は当該事業場における事業の実施について実質的に統括管理する権限及び責任を有しているが、当該作業場所を巡回することに関する措置を講ずる必要はない。
  C 都道府県労働局長は、特定元方事業者の労働者及び関係請負人の労働者が一つの場所で行う仕事に係る労働災害の発生率が他の同業種、同規模の仕事と比べて高く、それが統括安全衛生責任者の不適切な業務執行に基づくものであると考えられる場合、当該統括安全衛生責任者の業務執行について当該統括安全衛生責任者を選任した事業者に対して勧告することができる。
  D 特定元方事業者が講ずべき措置の事項として、労働安全衛生法第30条第1項第1号は、「協議組織の設置及び運営を行うこと」と規定しているが、統括安全衛生責任者を選任した特定元方事業者は、当該統括安全衛生責任者に当該事項を統括管理させる必要はない。
  E 特定元方事業者が講ずべき措置の事項として、労働安全衛生法第30条第1項第4号は、「関益請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助を行うこと」と規定しており、関係請負人である事業者は、労働安全衛生法第59条第2項の規定に基づいて、作業内容を変更した時の安全又は衛生のための教育を行う必要はない。