■手続のポイント *電子申請可能
【手続概要】保険関係が成立した事業の事業主がその内容を届け出るものです。
【手続根拠】労働保険の保険料の徴収等に関する法律第4条の2第1項、労働 保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則第4条
【手数料】 なし。
もご利用になれます。
「保険関係成立届(様式第1号)」申請には特殊用紙が必要です。 下記掲載の様式は、実際の申請にはご使用になれません。 なお、電子申請を行う場合は、電子申請用の様式が別にありま す。
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*電子申請を開始する場合は、下のアイコンをクリックして下さい。
■ 「労働保険関係成立届」申請様式
■ご感想、ご意見、ご質問、ご依頼、ご注文等は、「コンタクト」フォームよりお願い
します。※ここをクリックすると「コンタクト」フォームへ移動します。
適用事業の保険関係の成立日は、労災法及び雇用法ともに、その事業が開始された日 又は暫定任意適用事業に該当するに至った日であり、それは 保険関係成立届を提出する ことによって成立するものではありません。 その事業の保険関係は、その成立日に法律 上 当然に発生しています。
それで、保険関係が成立した事業の事業主は、その成立した日から10日以内に届出を しなければなりません。つまり、労働者を一人でも使用するようになった時、労災・雇 用の保険関係が当然に成立するので、まず「労働保険関係成立届」を提出する必要があり ます。
この手続きは、正社員だけでなく、パート・アルバイトなど、臨時・短時間の労働者 を雇用する場合も必要になります。 労災は、事業所単位で適用されるため個々の従業員の資格取得届は必要ありません。
注意:建設の事業に係る事業主は、労災保険関係成立票を見易い場所に掲示しなければ ならない。 |
■趣旨等
1.趣旨(法1条)
労働保険の保険料の徴収等に関する法律は、労働保険の事業の効率的な
運営を図るため、労働保険の保険関係の成立及び消滅、労働保険料の納
付の手続、労働保険事務組合等に関し必要な事項を定めるものとする。
・沿革
徴収法は、労災保険と失業保険(現在の雇用保険)の適用・徴収事務を
一元化することを目的として昭和44年に制定された法律で、昭和47年
4月から施行されている。
【参考】
(権限の委任)
次の厚生労働大臣の権限は、都道府県労働局長に委任されている
①下請負事業の分離の認可
②継続事業の一括の認可及び当該一括に係る指定事業の指定
③労働保険事務組合の認可、業務廃止届の受理及び認可の取消し
④特例納付保険料の納付の勧奨及び申出の受理
⑤暫定任意適用事業に係る任意加入の認可及び任意脱退の認可
2.定義
(1)労働保険(法2条1項)
労災保険と雇用保険を総称して労働保険という
(2)保険年度(法2条4項)
4月1日から翌年3月31日まで
3.適用事業の区分
(1)継続事業と有期事業(法7条2号)
①継続事業
事業の期間が予定されない事業をいい、一般の工場、事務所等が
これに該当する。
②有期事業
建設工事等のように事業の期間が予定されている事業をいう。
*注意:有期事業という概念は労災保険についての概念であり、
雇用保険に係る保険関係については有期事業という概
念はない。
(2)適用の特例(法39条1項、則1条3項1号、則70条)
①一元適用事業
労災保険と雇用保険の適用・徴収事務が一元化して行われる事業をいう。
*国立大学法人及び大学共同利用機関法人は一元適用事業に含まれる
②二元適用事業
労災保険の適用・徴収事務と雇用保険の適用・徴収事務を別々に行う事業
をいう。
●次の事業を、二元適用事業とする
・都道府県及び市町村の行う事業
・都道府県及び市町村に準ずる者の行う事業
・港湾運送の行為を行う事業
・雇用保険法附則第2条第1項各号に掲げる事業。つまり、農林、畜産、
養蚕又は水産の事業(船員が雇用される事業を除く)
・建設の事業
【注意】
国が行う事業は二元適用事業ではない。なぜなら、国が行う事業には労災
保険に係る保険関係が成立する余地はない。
■保険関係の成立及び消滅
1.保険関係の成立等
(1) 適用事業の保険関係の成立(法3条、法4条、法附則3条、整備法7条)
Ⅰ 労災保険法第3条第1項の適用事業の事業主については、その事業が開始された日
又は労災保険暫定任意適用事業に該当する事業が同項の適用事業に該当するに至っ
た日に、その事業につき労災保険に係る労働保険の保険関係が成立する
Ⅱ 雇用保険法第5条第1項の適用事業の事業主については、その事業が開始された日
又は雇用保険暫定任意適用事業に該当する事業が同項の適用事業に該当するに至っ
た日に、その事業につき雇用保険に係る労働保険の保険関係が成立する
○ 保険関係の成立の時期まとめ
労災保険及び雇用保険両方とも、
・適用事業は、その事業が開始された日
・暫定任意適用事業に該当する事業は、適用事業に該当するに至った日
*保険関係は、保険関係成立届を提出することによって成立するものでは
なく、法律上当然成立する
(2) 保険関係成立届(法4条の2.1項、則4条1項)
保険関係が成立した事業の事業主は、その成立した日から10日以内に、次の事項
を政府に届け出なければならない
ⅰ 保険関係が成立した日
ⅱ 事業主の氏名または名称及び住所又は所在地
ⅲ 事業の種類、名称、概要
ⅳ 事業の行われる場所
ⅴ 事業にかかわる労働者数
ⅵ 有期事業にあっては、事業の予定される期間
1) 保険関係成立届の提出先
① 次の事業に該当する場合は、保険関係成立届を所轄労働基準監督署長に提出
・一元適用事業所であって労働保険事務組合に事務処理を委託しないもの(雇用
保険に係る保険関係のみ成立している事業を除く)
・労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業
② 次の事業に該当する場合は、保険関係成立届を所轄公共職業安定所長に提出
・一元適用事業所であって労働保険事務組合に事務処理を委託するもの
・一元適用事業所であって労働保険事務組合に事務処理を委託しないもののうち
雇用保険に係る保険関係のみ成立している事業
・雇用保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業
■保険関係成立届の提出先まとめ
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【用語の説明】
一元適用事業:労災・雇用保険の両保険の適用・徴収事務が一元化して 行われる事業。
二元適用事業:労災保険の適用・徴収事務と雇用保険の適用・徴収事務 を別々に行う事業。 |
③ 年金事務所経由
次のいずれにも該当する事業主は、年金事務所を経由して提出できる
「名称・所在地変更届」及び「代理人選任・解任届」においても同様である
1.社会保険適用事務所(厚生年金保険又は健康保険の適用事業所をいう)の事業
主であること
2.継続事業に係るものであること
3.労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託していないこと
2) 提出期限
保険関係成立届は、保険関係成立の翌日から起算して10日以内に所轄労働基準監
督署長又は所轄公共職業安定所長に提出しなければならない
【参考】
厚生労働大臣は、保険関係成立届を提出した事業主の氏名又は名称、住所又は所
在地並びにその事業が労災保険及び雇用保険に係る保険関係が成立している事業
であるか否かの別をインターネットを利用して公衆の閲覧に供する方法により公
表するものとする
(3) 暫定任意適用事業の保険関係の成立
1) 災保険暫定任意適用事業の場合(整備法5条1項、3項、整備省令3条の2)
Ⅰ 労災保険暫定任意適用事業の事業主については、その者が労災保険の加入申請を
し、厚生労働大臣の認可(権限は都道府県労働局長に委任)があった日に、その事業
につき労災保険に係る保険関係が成立する。
Ⅱ 労災保険法第3条第1項の適用事業が労災保険暫定任意適用事業に該当するに至っ
たときは、その翌日に、その事業につきⅠの認可があったものとみなす。
① 任意加入の申請
労災保険の任意加入申請書は、所轄労働基準監督署長を経由して、所轄都道府県労
働局長に提出する。
また、労災保険暫定任意適用事業の事業主は、その事業に使用される労働者の過半
数が希望するときは、任意加入の申請をしなければならない。
② 成立の時期
労災保険暫定任意適用事業の事業主による任意加入の申請に対する厚生労働大臣の
認可があったときはその日に保険関係が成立する。
③ 擬制任意適用事業
適用事業が、事業内容の変更や使用労働者の減少等により、暫定任意適用事業に
なった場合には、その翌日に自動的に任意加入の認可があったものとみなされ(「擬
制任意適用事業」という)改めて任意加入の手続きを要しない。
2) 雇用保険暫定任意適用事業の場合(法附則2条1項、4項、則附則1条の3)
Ⅰ 雇用保険暫定任意適用事業の事業主については、その者が雇用保険の加入申請を
し、厚生労働大臣の認可(権限は都道府県労働局長に委任)があった日に、その事業
につき雇用保険に係る保険関係が成立する。
Ⅱ 雇用保険法第5条第1項の適用事業が雇用保険暫定任意適用事業に該当するに至っ
たときは、その翌日に、その事業につきⅠの認可があったものとみなす。
① 任意加入の申請
雇用保険の任意加入申請書は、その事業に使用される労働者の2分の1以上の同意
を得なければ行うことができない。また、雇用保険暫定任意適用事業の事業主は、
その事業に使用される労働者の2分の1以上が希望するときは、任意加入の申請を
しなければならない。
雇用保険の任意加入申請書は、所轄公共職業安定所長を経由して、所轄都道府県労
働局長に提出する。なお、雇用保険の任意加入申請書には、労働者の同意を得たこ
とを証明することができる書類を添えなければならない。
② 罰則の適用
使用労働者の2分の1以上が希望するにもかかわらず雇用保険の任意加入申請をし
ない事業主、又は雇用保険に係る保険関係の成立を希望したことを理由として労働
者に対して解雇その他不利益な取扱いをした事業主は、6箇月以下の懲役または30
万円以下の罰金に処せられる。
③ 成立の時期
雇用保険暫定任意適用事業の事業主による任意加入の申請に対する厚生労働大臣の 認可があったときはその日に保険関係が成立する。
④ 擬制任意適用事業
適用事業が、事業内容の変更や使用労働者の減少等により、暫定任意適用事業に
なった場合には、その翌日に自動的に任意加入の認可があったものとみなされ(「擬
制任意適用事業」という)改めて任意加入の手続きを要しない。
■Pointのまとめ
・労災保険の場合は労働者の「過半数」、雇用保険の場合は労働者の「2分の1以上」の
希望がある場合に任意加入をしなければならない。例えば、労働者数が4人でそのうち
2名が希望した場合、労災保険については申請しなくてもよいが雇用保険については加
入の申請をしなければならない。
・労災保険に任意加入する場合には労働者の同意は不要であり、したがって同意証明書を
提出する必要はないが、雇用保険に任意加入する場合には労働者の2分の1以上の同意
が必要であり、同意証明書を提出することが必要となる。
■暫定任意適用事業の要件
・労災保険
事業の 種類 |
暫定任意適用事業の要件 | |||
農業(畜産 ・養蚕業 を含む) |
個 人 経 営 |
事業主が特別加入していない |
常時使用 労働者数 5人未満 |
特定危険 有害作業 を行う事 業ではな い |
水産業 |
船員を使用して行う船舶所有者の事業 ではない かつ ・総トン数5トン未満の漁船 又は ・河川、湖沼、特定水面で操業する漁船 |
|||
林業 | 常時労働者を使用せず、かつ、年間使用労働者数延べ300人未満 |
・雇用保険
事業の種類 | 要件 | ||
農 業 | 個人経営 |
常時使用労働者数 5人未満 |
|
水産業 | 船員が雇用されていない事業 | ||
林 業 |
(4) 名称、所在地等変更届(法4条の2、2項、則5条)
保険関係が成立している事業の事業主は、次の事項に変更があったときは、その変更を
生じた日の翌日から起算して10日以内に、名称、所在地等変更届を所轄労働基準監督
署長又は所轄公共職業安定所長に提出することによって届け出なければならない。
ⅰ 事業主の氏名又は名称及び住所又は所在地
ⅱ 事業の種類、名称
ⅲ 事業の行われる場所
ⅳ 有期事業にあっては、事業の予定される期間
【例】 労災保険の保険関係が成立している有期事業に関して、当該事業の予定期間に
変更が生じた時は、その変更が生じた日の翌日から起算して10日以内に、名
称、所在地等変更届を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
■Point
法人の代表取締役の移動は、名称、所在地等変更届を提出する事項に該当しない。
(5) 代理人選任・解任届(即73条)
Ⅰ 事業主は、あらかじめ代理人を選任した場合には、徴収法施行規則によって事業主
が行わなければならない事項を、その代理人に行わせることができる。
Ⅱ 事業主は、Ⅰの代理人を選任し、又は解任した時は、代理人選任・解任届により、
その旨を所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長に届け出なければならな
い。代理人選任・解任届に記載された事項であって代理人の選任に係るものに変更
が生じた時も、同様とする。
・提出期限
代理人選任・解任届の提出時期は、具体的に規定されていないが、少なくとも代理人
が事務を行う前に提出することになる。
2.保険関係の消滅
(1) 共通の消滅事由(法5条)
保険関係が成立している事業が廃止され、又は終了したときは、その事業についての
保険関係は、その翌日に消滅する。
① 手続等
事業の廃止又は終了による保険関係消滅の場合は、保険関係消滅の手続きは不要で
あるが、労働保険料の確定清算を行わなければならない。
② 消滅の時期
適用事業であると暫定任意適用事業であるとを問わず、保険関係は、事業が廃止
(継続事業の場合)又は終了(有期事業の場合)した日の翌日に消滅する
【参考】
(事業の一時的休止と保険関係)
事業の一時休止(すなわち休業)の場合は、ここでいう廃止ではないから保険関係
は消滅しない。
(事業の廃止又は終了に伴う保険関係消滅の時期)
単に営業廃止の法律上の手続きが完了した時とか、請負契約期間の満了した時を
持って直ちに事業を廃止又は終了したと見るべきでなく、現に事実上その事業の
活動が停止され、その事業における労働関係が消滅した時をもって事業の廃止又
は終了があったと解すべきである。したがって、例えば法人が解散したからと
いって、直ちにその事業が廃止されたことにはならず、特別の事情がない限りそ
の精算終了の日の翌日に保険関係が消滅する。
(2) 暫定任意適用事業の保険関係の消滅
1) 労災保険暫定任意適用事業の場合(整備法8条1項、2項、整備省令3条の2)
Ⅰ 保険関係が成立している労災保険暫定任意適用事業の事業主については、徴収法第
5条[共通の消滅事由]の規定によるほか、その者が当該保険関得の消滅の申請を
し、厚生労働大臣の認可(権限は都道府県労働局長に委任)があった日の翌日に、そ
の事業についての当該保険関係が消滅する。
Ⅱ Ⅰの申請は、次のⅰからⅲに該当する場合でなければ行うことができない。
ⅰ 当該事業に使用される労働者の過半数の同意を得ること
ⅱ 擬制任意適用事業以外の事業にあっては、保険関係が成立した後1年を経過して
いること
ⅲ 特別保険料が徴収される場合は、特別保険料の徴収期間を経過していること
① 手続
保険関係消滅申請書は、労働者の同意を得たことを証明することができる書類を
添付したうえ、所轄労働基準監督署長を経由して所轄都道府県労働局長に提出す
る。
② 消滅の時期
保険関係の消滅申請に対する厚生労働大臣の認可があったときは、その日の翌日
に、その事業についての保険関係が消滅する。
【参考】
労災保険に加入していない暫定任意適用事業において発生した業務災害又は通勤災
害に対しても、特例による保険給付がなされるが、その場合は通常の保険料とは別
に特例による保険給付の費用に充てるための保険料が徴収される。これを特別保険
料という。この特別保険料を徴収する一定期間を経過するまでの間は、労災保険か
らの脱退を認めないこととされている。
2) 雇用保険暫定任意適用事業の場合(法附則4条)
Ⅰ 保険関係が成立している雇用保険暫定任意適用事業の事業主については、徴収法第
5条[共通の消滅事由]の規定によるほか、その者が当該保険関得の消滅の申請を
し、厚生労働大臣の認可(権限は都道府県労働局長に委任)があった日の翌日に、そ
の事業についての当該保険関係が消滅する。
Ⅱ Ⅰの申請は、その事業に使用される労働者の4分の3以上の同意を得なければ行う
ことができない。
① 手続
保険関係消滅申請書は、労働者の同意を得たことを証明することができる書類を
添付したうえ、所轄公共職業安定所長を経由して所轄都道府県労働局長に提出す
る。
② 消滅の時期
保険関係の消滅申請に対する厚生労働大臣の認可があったときは、その日の翌日 に、その事業についての保険関係が消滅する
■Pointのまとめ
■任意加入の手続等のまとめ
任意加入の要件 |
任意加入しなければ ならない場合 |
任意脱退の要件 | 届出先 | |
労災 | 労働者の同意不要 | 労働者の過半数が希望 |
・労働者の過半数の同意 ・保険関係成立後1年経過 ・特別保険料徴収期間経過 |
都道府県労働局長 (所轄労働基準監督署長経由) |
雇用 | 労働者の1/2以上の同意 | 労働者の1/2以上が希望 | 労働者の3/4以上の同意 |
都道府県労働局長 (所轄公共職業安定所長経由) |
■ご感想、ご意見、ご質問、ご依頼、ご注文等は、「コンタクト」フォームよりお願い
します。※ここをクリックすると「コンタクト」フォームへ移動します。