■給付通則
1.通則
(1)受給権の保護
①譲渡等の禁止
失業等給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえるこ
とができない
*二事業の助成金等は、この規定の適用は受けない
②公課の禁止
租税その他の公課は、失業等給付として支給を受けた金銭を標準として課
することができない
(2)未支給の失業等給付
①未支給の失業等給付
1)失業等給付を受けることができる者が死亡した場合において、まだ支
給されていない失業等給付があるときは、配偶者(事実婚を含む)、子、
父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、死亡当時生計を同じくしてい
た者は、自己の名で、その未支給の失業等給付の支給を請求することが
できる
2)前項の規定による未支給の失業等給付の支給を受けるべき者の順位
は、同項の規定する順序による
3)同順位の者が2人以上あるときは、その1人のした請求は、全員のため
に全額したものとみなし、その1人に対してした支給は、全員に対して
したものとみなす
*死亡したことを知った日の翌日から起算して1箇月以内に請求しなけれ
ばならない
ただし、天災その他やむを得ない理由があるときは、その理由がやんだ
日の翌日から起算して7日以内に証明書類を添えて請求しなければなら
ない
*死亡した日の翌日から6箇月を経過したときは請求することができない
ただし、正当な理由があるときはこの限りではない
②未支給の基本手当
受給資格者が死亡したため失業の認定を受けることができなかった期間に
係る基本手当の支給を請求する者は、当該受給資格者について失業の認定
を受けなければならない
(3)不正利得の返還命令等
①偽りその他不正の行為により失業給付等の支給を受けた者がある場合に
は、政府は、その全部又は一部を返還することを命ずることができ、ま
た、その額の2倍に相当する額以下の金額を納付することを命ずることが
できる
②事業主、職業紹介事業者等又は指定教育訓練実施者が偽りの届出、報告又
は証明により支給されたものであるときは、政府は、それらの者に対し、
支給を受けた者と連帯し、返還又は納付を命ぜられた金額を納付すること
を命ずることができる
2.不正受給による給付制限
(1)求職者給付の給付制限
①基本手当の給付制限
偽りその他不正の行為により求職者給付又は就職促進給付の支給を受け、
又は受けようとした者には、そうした日以後、基本手当を支給しない
ただし、やむを得ない理由がある場合には、全部又は一部を支給すること
ができる
また、上記の不正受給者であっても、その後再就職し、新たに受給資格等
を取得した場合には、その新たに修得した受給資格の基づく手当等及び給
付金等が支給される
②日雇労働求職者給付金の給付制限
日雇労働求職者給付金の支給を受けることができる者が、偽りその他不正
の行為により求職者給付又は就職促進級を受け、又は受けようとしたとき
は、その月及びその月の翌月から3箇月間は、日雇労働求職者給付金を支
給しない
ただし、やむを得ない理由がある場合には、全部又は一部を支給すること
ができる
(2)就職促進給付の給付制限
偽りその他不正の行為により給付等を受け、又は受けようとした者には、そ
うした日以後、支給しない
ただし、やむを得ない理由がある場合には、全部又は一部を支給することが
できる
(3)教育訓練給付の給付制限
偽りその他不正の行為により教育訓練給付金の支給を受け、又は受けようと
した者には、そうした日以後、支給しない
ただし、やむを得ない理由がある場合には、全部又は一部を支給することが
できる
(4)雇用継続給付の給付制限
①高年齢雇用継続給付の給付制限
偽りその他不正の行為により次に掲げる失業等給付(高年齢雇用継続給付)
の支給を受け、又は受けようとした者には、そうした日以後高年齢雇用継
続基本給付金及び高年齢再就職給付金を支給しない
ただし、やむを得ない理由がある場合には、全部又は一部を支給すること
ができる
・高年齢雇用継続基本給付金
・高年齢再就職給付金又は当該給付金に係る受給資格に基づく求職者給付
若しくは就職促進給付
*不正受給により基本手当の給付制限が行われた場合は、高年齢再就職給
付金は支給されない
*高年齢雇用継続基本給付金の不正受給があった場合には、その後当該給
付金は支給されない
ただし、その後離職した場合に受けることができる基本手当については
制限されない
②育児休業給付の給付制限
偽りその他不正の行為により育児休業給付金の支給を受け、又は受けよ
うとした者には、そうした日以後、支給しない
ただし、やむを得ない理由がある場合には、全部又は一部を支給すること
ができる
③介護休業給付の給付制限
偽りその他不正の行為により育児休業給付金の支給を受け、又は受けよう
とした者には、そうした日以後、支給しない
ただし、やむを得ない理由がある場合には、全部又は一部を支給すること
ができる
3.その他の給付制限
(1)就職拒否等による給付制限
①就職拒否又は受講拒否による給付制限
受給資格者(公共職業訓練等終了後の訓練延長給付、広域延長給付、全国
延長給付、個別延長給付を受けている者を除く)が、正当な理由なく拒ん
だときは、その拒んだ日から起算して1箇月間は基本手当を支給しない
②就職拒否による日雇労働求職者給付金の給付制限
正当な理由がなく、拒んだときは、その拒んだ日から起算して7日間は、
支給しない
③職業指導拒否による給付制限
受給資格者(公共職業訓練等終了後の訓練延長給付、広域延長給付、全国
延長給付、個別延長給付を受けている者を除く)が、正当な理由なく職業
指導を受けることを拒んだときは、その拒んだ日から起算して1箇月を超
えない範囲内において基本手当を支給しない
*職業指導拒否による給付制限期間は、1箇月である
*基本手当を支給しない期間については、技能習得手当、寄宿手当及び傷
病手当も支給されない
*本条の規定は、高年齢求職者給付金及び特例一時金にも準用される
④延長給付の給付制限
公共職業訓練等終了後の訓練延長給付、広域延長給付、全国延長給付、個
別延長給付を受けている受給資格者が、正当な理由なく紹介する職業に就
くこと、公共職業訓練等を受けること又は再就職を促進するために必要な
職業指導を受けることを拒んだときは、その拒んだ日以後基本手当を支給
しない
ただし、新たに受給資格を取得したときはこの限りではない
(2)離職理由による給付制限
①離職理由による給付制限
自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇され、又は正当な理由がな
く自己の都合によって退職した場合には、待期期間の満了後1箇月以上3
箇月以内の間で公共職業安定所長が定める期間は、基本手当を支給しない
ただし、公共職業訓練等を受ける期間及び終了後の期間についてはこの限
りではない
②給付制限に伴う受給期間の延長
離職理由による給付制限の規定により基本手当を支給しないとされる場合
において、基本手当を支給しないとされる期間に7日を超えて30日以下
の範囲内で(21日)及び所定給付日数を加えた期間が1年(所定給付日数が
360日のときは、1年に60日を加えた期間)を超えるときの受給期間は、
当該超えた期間を加えた期間とする
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