■適用事業所
1.強制適用事業所(法6条1項、2項)
Ⅰ 次のⅰからⅲのいずれかに該当する事業所若しくは事務所(以下単に「事業所」とい
う。)又は船舶を適用事業所とする
ⅰ 適用業種である事業所であって常時5人以上の従業員を使用するもの
ⅱ ⅰに掲げるもののほか、国、地方公共団体又は法人の事務所であって、常時従業
員を使用するもの
ⅲ 船員法第1条に規定する船員(以下単に「船員」という。)として船舶所有者(船員保
険法第3条に規定する場合にあっては、同条の規定により船舶所有者とされる
者。以下単に「船舶所有者」という。)に使用される者が乗り込む船舶(以下単に「船
舶」という。)
Ⅱ Ⅰⅲに規定する船舶の船舶所有者は、適用事業所の事業主とみなす。
●5人以上の計算
常時使用されるすべての者について計算すべきものとする
●適用業種の例
物の製造、加工等(工場、作業所等)
社会福祉事業及び更生保護事業
2.任意適用事業所
■強制適用事業所と任意適用事業所の範囲
業種等 規模 |
適用事業 | 非適用事業 | ||
国、地方公共団体 又は法人 |
個人 |
国、地方公共団体 又は法人 |
個人 | |
常時5人以上 | ◎ | ◎ | ◎ | ○ |
常時1人以上 5人未満 |
◎ | ○ | ◎ | ○ |
◎…強制適用事業所 ○…任意適用事業所
(1)任意適用事業所の認可
①強制適用所以外の事業所の事業主は、厚生労働大臣の認可を受けて当該事
業所を任意適用事業所とすることができる
②認可を受けようとするときは、事業主は、事業所に使用される(適用除外
に規定する者は除く)の2分の1以上の同意を得て申請しなければならない
●認可の効果
認可の日に、不同意であった者を含めて、その事業所に使用される70歳
未満の者は、適用除外者を除き被保険者となる
*労働保険(労災・雇用保険)の場合と異なり、使用労働者の過半数又は2分
の1以上の希望があっても、社会保険(健康・厚生年金保険)の加入の申請
を行う必要はない
(2)擬制
船舶以外の強制適用事業所が、その要件を欠くに至った場合は、任意加入の
認可申請を行わなくても任意適用事業所の認可があったものとみなすが、こ
れを擬制という
(3)任意適用事業所の取消し
①厚生労働大臣の認可を受けて、任意適用事業所でなくすることができる
②認可を受けようとするときは、事業所に使用される(適用除外に規定する
者を除く)の4分の3の同意を得て申請しなければならない
●適用取消しの効果
認可のあった日の翌日に、取消しに不同意であった者も含めて、全て被保
険者が資格を喪失する
3.一括適用事業所
(1)2以上の適用事業所(船舶を除く)の事業主が同一である場合には、厚生労働
大臣の承認を受けて、2以上の事業所を一つの適用事業所とすることができ
る
(2)承認があったときは、当該2以上の適用事業所は適用事業所でなくなった
ものとみなす
(3)2以上の船舶の船舶所有者が同一である場合には、当該2以上の船舶は一つ
の適用事業所とみなす(厚生労働大臣の承認を受けることなく一つの適用事
業所とみなす)
4.適用事業所に関する届出
(1)新規適用事業所の届出
初めて適用事業所となった事業主は、事実があった日から5日以内に新規適
用届を機構に提出しなければならない(船舶の場合は、新規船舶所有者届を
10日以内)
(2)事業主の氏名等の変更の届出
事業主(船舶所有者を除く)は、その氏名等を変更したときは、5日以内に届
書を機構に提出しなければならない(船舶所有者の場合は、速やかに)
(3)事業主の変更の届出
事業主(船舶所有者を除く)に変更があったときは、前事業主及び新事業主は
5日以内に連署をもって届書を機構に提出しなければならない
(4)代理人選任の届出
事業主(船舶所有者を除く)は、事業主がしなければならな事項につき、代理
にをして処理させようとするときは、あらかじめ、文書でその旨を機構に届
け出なければならない
(5)適用事業所に該当しなくなった場合の届出
①適用事業所の事業主(船舶所有者を除く)は、廃止、休止その他の事情によ
り適用事業所に該当しなくなったときは、事実があった日から5日以内に
届書を機構に提出しなければならない
②船舶所有者は、上記の同様の事実があった日から10日以内に届書を機構
に提出しなければならない