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健康保険法ー被保険者

 

一般の被保険者

 

 1.被保険者の種類等

 

  ①被保険者の種類

 

   被保険者とは、適用事業所に使用されるもの(一般の被保険者及び日雇特例

   被保険者)、任意継続被保険者、特例退職被保険者をいう

 

   国籍、年齢、住所、報酬の多少等に関係なく被保険者となる

 

 2.一般の被保険者

 

  (1)被保険者の具体例

 

   法人の役員

 

    労務の対償として報酬を受けている者は、法人に使用される者として被保

    険者資格を取得する

 

   短時間労働者

 

     1日又は1週間の所定労働時間及び1月の所定労働日数が通常の就労者の4

    分の3以上であって、常用的雇用関係が認められる場合には、原則として

    被保険者として取り扱われる

 

   登録型派遣労働者

 

    派遣元事業所の適用となるが、基本的には一般の被験者と同様である

 

    雇用契約終了後については、最大1月以内に、次回の雇用契約が確実に見

    込まれるときは、被保険者資格を喪失させないこととしても差し支えない

 

   特定労働者派遣事業の派遣労働者

 

    派遣元事業所の適用となる

  

   労働組合専従者

 

    労働組合に雇用又は使用される者としてのみ被保険者となる

 

   実習・研修職員

 

    事実上就職と解されれば被保険者とする 

 

   試みの使用期間中の者

 

    最初に雇用された日に被保険者となる

   法人でない社団、組合の総裁等

 

    基本的には法人の代表者の場合と同様の扱いとなるが、農業協同組合又は

    山林組合の組合長は、組合との間に実体的に使用関係がなければ適用しな

    い

 

   外国人に対する適用

 

    適法に就労する外国人に対しては、日本人と同様の扱いとする

 

   短時間正社員に対する適用

 

 

   個人事業主については、使用されるものとはみなされないので被保険者と

    ならない 

 

  (2)適用除外

 

   船員保険の被保険者(疾病任意継続被保険者を除く)

 

    なお、疾病任意継続被保険者が適用事業所に就職した場合は、原則とし

    て、健康保険の一般の被保険者となり、疾病任意継続被保険者の資格を喪

    失する

 

   臨時に使用される者で、日々雇い入れられる者(1月を超えて引き続き使用

    されるに至った場合を除く)

 

   臨時に使用されるもので、2月以内の期間を定めて使用される者(所定の期

    間を超えて引き続き使用されるに至った場合を除く)

 

   事業所の所在地が一定しないものに使用される者

 

   季節的業務に使用される者(継続して4月を超えて使用されるべき場合を除

    く)

 

   臨時的事業の事業所に使用される者(継続して6月を超えて使用されるべき

    場合を除く)

 

   国民健康保険組合の事業所に使用される者

 

   後期高齢者医療の被保険者等

 

    1)後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する75歳以上の者

 

    2)後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する65歳以上75歳未満の

     者であって、政令で定める程度の障害の状態にある旨の認定を受けた者

 

   厚生労働大臣、健康保険組合又は共済組合の承認を受けた者

  

  (3)共済組合の組合員に関する特例

 

   共済組合の組合員は、法律上は適用を除外されていないが、ほとんどの場合

   は健康保険の適用を実質的に除外されている(法を適用する上では、健康保 

   険の被保険者となる)

 

    1)健康保険法による保険給付は行わない

    2)給付の種類及び程度は、健康保険法以上であることを要する

    3)厚生労働大臣は、必要がある認めるときは、報告を徴し、又その運営

     関する指示をすることができる

    4)健康保険法の保険給付を受けない者からは、保険料を徴収しない

 

  (4)事業主の届出義務

 

   ①事業主は、被保険者の資格取得及び喪失並びに報酬月額及び賞与額に関す

    る事項を保険者等(協会管掌の場合は厚生労働大臣、健康保険組合管掌の

    場合は当該健康保険組合)に届け出なければならない

 

   ②保険者等は、届出に係る事実がないと認めるときは、その旨を届出をした

    事業主に通知しなければならない

  

 3.一般被保険者資格の取得

 

  (1)資格取得の時期

 

   使用されるに至った日

 

    事実上の使用関係が発生した日をいい、辞令が発せられた日や赴任又は着

    任の日と一致する必要はない 

 

   当初から自宅待機とされた場合

    雇用契約が成立しており、かつ、休業手当等が支給されているときは、支

    払の対象となった日の初日に資格を取得する 

 

   偽って資格を取得し保険給付を受けた場合

 

    資格を取り消し、その費用を返還させる 

 

   臨時又は試みに使用する場合

 

    雇入れの当初から被保険者となる

 

  (2)被保険者資格取得届

 

   事実があった日から5日以内に機構又は健康保険組合に提出

 

   *被扶養者届については、磁気ディスクによる届出は認められていない

 

 4.一般被保険者資格の喪失

 

  (1)資格喪失の時期

 

   死亡

   使用されなくなったとき

   適用除外に該当するに至ったとき

   任意適用事業所の取消しの認可があったとき

 

   【具体例】

    1)転勤する場合

 

     一括適用事業所の承認を受けていない場合は、その事実があった日に資

     格を喪失させ、新たな事業所での資格を取得する

 

    2)嘱託として再雇用された場合

 

     被保険者として資格も継続するが、特別支給の老齢厚生年金の受給権者

     である被保険者であって、退職後継続して再雇用される者については、

     使用関係が一旦中断したものとみなして、資格喪失届と資格取得届を提

     出する取扱いとしても差し支えない

 

    3)工場の譲渡により事業主に変更があった場合

 

     新事業主に使用される場合は、資格の取得及び喪失は生じな

 

    ●「使用されなくなった時」とは、現実に業務に使用されない状態におかれ

     た日をいう

 

  (2)被保険者資格喪失届

 

   事実があった日から5日以内に、機構又は健康保険組合に提出

 

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