■日雇特例被保険者に係る保険給付
1.保険給付の種類
(1)療養の給付並びに入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養
費、療養費、訪問看護療養費及び移送費の支給
(2)傷病手当金の支給
(3)埋葬料の支給
(4)出産育児一時金の支給
(5)出産手当金の支給
(6)家族療養費、家族訪問看護療養費及び家族移送費の支給
(7)家族埋葬料の支給
(8)家族出産育児一時金の支給
(9)特別療養費の支給
(10)高額療養費及び高額介護合算療養費の支給
2.療養の給付
(1)給付の範囲
1)診察
2)薬剤又は治療材料の支給
3)処置、手術その他の治療
4)居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
5)病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
(2)受給資格
①保険料納付要件
初めて療養の給付を受ける日の属する月の前2月間に通算して26日分以上
又は前6月間に通算して78日分以上の保険料を納付していること
②支給期間
療養の給付等開始の日から1年間(結核性疾病の関しては、5年間)
(3)受給方法
①保険者は、日雇特利被保険者が保険料納付要件に該当することを、日雇特
例被保険者手帳によって証明して申請したときは、これを確認した表示を
した受給資格者票を発行し、又はすでに発行した受給資格者票にこれを確
認したことを表示しなければならない
②日雇特例被験者が療養の給付を受けようとするときは、受給資格者票を保
険医療機関等に提出して受けるものとする
3.傷病手当金
(1)支給要件
①療養中であること
②労務に服することができないこと
③継続した3日間の待期を満たしたこと
(2)支給額
傷病手当金の額は、次に掲げる区分に応じ、1日につきその定める額とする
ただし、次の区分のいずれにも該当するときは、いずれか高い金額とする
①前2月間に通算して26日分以上の保険料が納付されている場合
当該納付期間において各月ごとの合算のうち最大のものの45分の1に相当
する金額
②前6月間に通算して78日分以上の保険料が納付されている場合
当該納付期間において各月ごとの合算額のうち最大のものの45分の1に相
当する金額
*1/30×2/3=1/45、つまり標準賃金の月額を、30(1月を30日で計算)
で除し、その額に3分の2(傷病手当に支給割合)を乗じて算出する
(3)出産手当金との調整
出産手当金を支給する場合においては、その期間傷病手当金は支給しない
ただし、傷病手当金の額が出産手当金の額を超えるときは、その超える部分
についてはこの限りではない
(4)支給期間
支給を始めた日から起算して6月(結核性疾病に関しては、1年6月)を超えな
いものとする
4.傷病に関するその他の給付
(1)入院時食事療養費
日雇特例被保険者(特定長期入院日雇特例被保険者を除く)が、受給資格者票
を提出して、療養の給付と併せて受けた食事療養に要した費用について、入
院時食事療養費を支給する
(2)入院時生活療養費
特定長期入院日雇特例被保険者(療養病床に入院する65歳以上の者)が受給
資格者票を提出して、生活療養に要する費用について、入院時生活療養費を
支給する
(3)保険外併用療養費
日雇特例被保険者が受給資格者票を提出して、保険医療機関等のうち自己の
選定する者から評価療養又は選定療養を受けたときは、その療養に要した費
用について、保険外併用療養費を支給する
(4)療養費
保険者は、療養の給付等を行うことが困難であると認めるとき、又は保険医
療機関等以外で診療等を受けた場合において、やむを得ないものと認めると
きは、療養の給付に代えて、療養費を支給することができる
日雇特例被保険者の場合は、保険料納付要件の確認を受けずに保険医療機関
等で診療等を受けた場合も、療養費の対象となる
(5)家族療養費
被扶養者が受給資格者票を提出して療養を受けたときは、日雇特例被保険者
に対して、その療養に要した費用について、家族療養費を支給する
(6)訪問看護療養費
日雇特例被保険者が受給資格者票を提出して指定訪問看護を受けたときは、
その要した費用について訪問看護療養費を支給する
(7)家族訪問看護療養費
被扶養者が受給資格者票を提出して、指定看護訪問看護事業者から指定訪問
看護を受けたときは、日雇特例被保険者に対し、その指定訪問看護に要した
費用について、家族訪問関療養費を支給する
(8)高額療養費
一部負担金等の額又は療養(食事療養及び生活療養を除く)に要した額から日
雇特例被保険者に係る一部負担金等の額(特別療養費を含む)を控除した額が
著しく高額であるときは、その一部負担金等の支給を受けた日雇特例被保険
者に対し高額療養費を支給する
(9)高額介護合算療養費
一部負担額等の額(前条の高額療養費が支給される場合にあっては、その額
を控除して得た額)並びに介護保険法の介護サービス利用者負担額[高額介護
サービス費が支給される場合にあっては、その額を控除して得た額)及び介
護予防サービス利用者負担額(高額介護予防サービス費が支給される場合に
あっては、その額を控除して得た額)の合計額が著しく高額の場合は、日雇
特例日保険に係る一部負担金等の額(特別療養費を含む)の支給を受けた日雇
特例被保険者に対し、高額介護合算療養費を支給する
(10)移送費
日雇特例被保険者が療養の給付(保険外併用療養費及び特別療養費を含む)を
受けるため、病院等に移送されたときは、移送費として、厚労省令で定める
ところにより算定した額を支給する
(11)家族移送費
被扶養者が家族療養費に係る療養(特別療養費を含む)を受けるために、病院
又は診療所に移送されたときは、日雇特例被保険者に対し、厚労省令で定め
るところにより算定した金額を支給する
5.死亡に関する給付
(1)埋葬料
日雇特例被保険者が死亡した場合において、次にいずれかに該当する場合に
は、その者により生計を維持していた者であって、埋葬を行う者に対し、5
万円の埋葬料を支給する
①その死亡の日の属する月の前2月に通算して26日以上の保険料が納付され
ているとき
②その死亡の日の属する月の前6月に通算して78日以上の保険料が納付され
ているとき
③その死亡の際その者が療養の給付若しくは保険外併用療養費、療養費若し
くは訪問看護療養費の支給を受けていたとき(死亡の原因となった傷病に
係るものである必要はない)
④その死亡が療養の給付若しくは保険外併用療養費、療養費若しくは訪問看
護療養費の支給を受けなくなった日後3月以内であったとき
(2)埋葬費
前項の埋葬料の支給を受けるべき者がいない場合においては、埋葬を行った
者に対し埋葬料の金額の範囲内においてその埋葬に要した費用に相当する金
額を支給する
5万円を限度として埋葬に要した実費額となる
(3)家族埋葬費
①日雇特例被保険者の被扶養者が死亡したときは、日雇特例被保険者に対
し、家族埋葬料を支給する
②支給を受けるには、死亡の日の属する月の前2月間に通算して26日以上又
は前6月間に通算して78日以上の保険料が納付されていなければならない
③家族埋葬料の額は5万円とする
6.出産に関する給付
(1)出産育児一時金
出産の日の属する月前4月間に通算して26日以上の保険料が納付されてい
るときは、出産育児一時金として39万円(所定の要件に該当する場合は、39
万円に3万円を超えない範囲だ定める額を加算した額)を支給する
(2)出産手当金
①出産育児一時金の支給を受けることができる日雇特例被保険者に、出産の
日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日)以前42日(多
胎妊娠の場合は98日)から出産の日後56日までの間において労務に服さな
かった期間出産手当金を支給する
②出産手当金の額は、1日につき、出産の日の属する月の前4月間の保険料
が納付された日に係る標準賃金日額の各月ごとの合算額のうち最大のもの
の45分の1に相当する金額とする
(3)家族出産育児一時金
①被扶養者が出産したときは、日雇特例被保険者に家族出産育児一時金を支
給する
②出産の日の属する月の前2月間に通算して26日分以上又は6月間に通算し
て78日分以上の保険料が納付されていなければならない
7.特別療養費
(1)受給要件
次のいずれかに該当する日雇特例被保険者でその該当するに至った日の属す
る月の初日から起算して3月(月の初日に該当するに至った者については2
月)を経過しないもの又はその被扶養者が、特別療養費受給票を保険医療機
関等(指定訪問看護事業者を含む)に提出して療養を受けたとき、その療養等
に要した費用について、特別療養費を支給する
①初めて日雇特例被保険者手帳の交付を受けた者
②1月間若しくは継続する2月間に通算して26日分以上又は継続する3月な
いし6月間に通算して78日分以上の保険料が納付されるに至った月におい
て日雇特例被保険者手帳に健康保険印紙を貼り付ける余白がなくなり、又
はその月の翌月中に日雇特例被保険者手帳を返納した後、初めて日雇特例
被保険者手帳の交付を受けた者
③前に交付を受けた日雇特例被保険者手帳に健康保険印紙を貼り付けるべき
余白がなくなった日又は日雇特例被保険者手帳を返納した日から起算して
1年以上後に日雇特例被保険者手帳の交付を受けた者
(2)支給期間
日雇特例被保険者手帳の交付を受けた日の属する月の初日から起算して3月
間(月の初日に交付を受けた者については2月間)とする
(3)受給手続
特別療養費受給票を保険医療機関等に提出して支給を受ける
8.他の医療保険による給付等との調整
(1)日雇特例被保険者本人に係る保険給付と一般被保険者本人に係る保険給付
との調整
日雇特例被保険者本人に係る保険給付は、一般の被験者に関する保険給付又
は健康保険以外の医療保険各法の規定若しくは労災法、国家・地方公務員災
害補償法又は介護保険法の規定により給付を受けることができる場合には行
わない
(2)日雇特例被保険者本人に係る保険給付と他法の家族給付との調整
日雇特例被保険者本人に係る保険給付と一般の被験者の家族給付又は他の医
療保険等の家族給付が競合するときは、いずれか一方の給付を受けた時に、
他方の給付がその限度において行われない
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