■雑則等
1.時効
(1)事項及び時効の中断
保険料等の徴収し、又はその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利
は、2年を経過したときは、時効によって消滅する
*事業主から被保険者に還付すべき過納保険料返還支給権については、民法
第167条により10年
*保険給付費用償還請求権についても、民法第167条により10年
(2)時効の起算日
保険給付(現金給付) | 時効の起算日 |
傷病手当金 | 労務不能があった日ごとにその翌日 |
出産手当金 |
労務に服さなかった日ごとにその翌日 |
療養費 | 療養に要した費用を支払った日の翌日 |
出産育児一時金・家族出産育児一時金 |
出産した日の翌日 |
埋葬料・家族埋葬料 | 死亡した日の翌日 |
埋葬費 | 埋葬を行った日の翌日 |
移送費・家族移送費 | 移送に要した費用を支払った日の翌日 |
高額療養費 |
診療月の翌月の1日(ただし、診療費の 自己負担分を診療月の翌月以後支払っ たときは、支払った日の翌日) |
高額介護合算療養費 |
計算期間(前年8月1日から7月31日ま での期間)の末日の翌日 |
2.印紙税の非課税等
(1)印紙税の非課税
健康保険に関する書類には、印紙税は課さない(保険者又は被保険者の行う
法律行為に関する書類、委任状等)
*被保険者が療養費の請求に添付する療養に要した費用の証明書(療養費支
給申請書に添付する領収書等の証拠書類)は、印紙税の免除対象とならな
い
(2)戸籍の無料証明
市町村長は、保険者又は保険給付を受けるべき者に対して、条例に定めると
ころより、戸籍に関し、無料で証明を行うことができる
3.事業主の責務等
(1)事業主による書類の保存
完結の日より2年間
*事業主の代理人の選任の届出
あらかじめ文書で厚生労働大臣又は健康保険組合に届けなければならない
この場合、事業主が厚生年金保険の被保険者を使用する事業主であるとき
はその旨を付記しなければならない
(2)立入検査等
厚生労働大臣は、被保険者の資格、標準報酬、保険料又は保険給付に関して
必要があると認めるときは、事業主に対して、文書等の提示を命じ、又は職
員をして事業所に立ち入って関係者に質問し、若しくは帳簿書類とを検査さ
せることができる
検査等をおkナウ職員はその身分を示す証明書を携帯し、かつ、請求がある
ときはこれを提示しなければならない
(3)資料の提供
厚生労働大臣は、被保険者の資格、標準報酬又は保険料に関して必要がある
と認めるときは、官公署に対し、法人の事業所の名称等その他必要な資料の
提供を求めることができる
4.罰則
(1)事業主に対する罰則
事業主が、次にいずれかに該当するときは、6月以下の懲役又は50万円以下
の罰金に処する
①資格の取得及び喪失並びに報酬月額及び賞与額を届け出ず、又は虚偽に届
出をしたとき
②被保険者又は被保険者であった者に資格の取得及び喪失等の決定若しくは
改定を通知しないとき
③督促状の指定する期限までに保険料を納付しないとき
④日雇特例被保険者の保険料を納付せず、又は健康保険印紙の受払等の帳簿
を備えず、若しくは健康保険印紙の受払等の状況を報告せず、若しくは虚
偽の報告をしたとき
⑤厚生労働大臣に命じられた文書等を提出若しくは提示をせず、又は立入検
査において行政庁職員の質問に答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、若し
くは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき
●10万円以下の過料
資格取得及び喪失等以外の事項を報告せず、若しくは虚偽を報告し、文書
を提示しない等の行為をしたとき
●50万円以下の罰金
健康組合等が健康保険印紙の受払等の報告せず、又は虚偽の報告をした場
合
徴収職員の質問に答弁しなかった場合等
(2)事業主以外のものに対する罰則
①6月以下の懲役又は30万円以下の罰金
事業者以外の者が、立入検査における行政職員の質問に答弁せず、若しく
は虚偽の答弁し、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき
日雇特例被保険者手帳について虚偽の申請をした場合
②30万円以下の罰金
保険給付を受けた被保険者又は被保険者であった者が、厚生労働大臣に命
ぜられた報告をせず、又は行政職員の質問に答弁せず、若しくは虚偽の答
弁をしたとき
日雇特例被保険者手帳の交付申請を行わず、又は当該手帳を事業主に提出
しない場合
③10万円以下の過料
被保険者又は保険給付を受けるものに対する秩序罰
(3)両罰規定
行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する
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