■基本手当以外の求職者給付
1.一般被保険者に対する求職者給付
(1)技能習得手当
①公共職業訓練等を受ける期間について支給する
②受講手当と通所手当とする
●受講手当
1)支給要件
公共職業訓練等を受けた日について40日分を限度として支給される
2)受講手当が支給されない日
・受講しない日
・基本手当の支給対象日(内職収入で基本手当が支給されない日を含む)
以外の日
3)支給額
日額500円
●通所手当
1)支給要件
通所距離が原則として片道2km以上
2)支給額
月額で支給される
・交通機関等利用者・・・月額42,500円を上限とする実費相当額
・自動車等利用者・・・月額3,690円、5,850円、8,010円のいずれかの額
3)減額される場合
(2)寄宿手当
生計を維持している同居の親族と別居して寄宿する場合に、その寄宿する期
間について支給する
①支給額
月額10,700円
②減額される場合
(3)傷病手当
①支給対象者
離職後公共職業安定所に出頭し、求職の申し込みをした後において、基本
手当の受給期間内の疾病又は負傷のため基本手当を受けることができない
日(認定を受けた日に限る)について支給する
1)支給要件
基本手当に代え傷病の認定を受けた日について支給される
・離職後、求職の申し込みをしていること
・継続して15日以上職業に就くことができなくなったこと
●求職の申込みを取消した場合
傷病手当は支給されない
●産休期間中
傷病を併発しているとしても、傷病手当は支給されない
②不支給日
1)給付制限期間中の日
就職拒否、受講拒否、職業指導拒否若しくは離職理由による給付制限
2)傷病手当金等を受給できる日
健康保険法の傷病手当金、労働基準法の休業補償、労災保険の休業(補
償)給付(待期期間中を除く)等
3)待期期間中
③支給日
基本手当の支給を受けることができないことについて認定を受けた日分
を、職業に就くことができない理由がやんだ後最初に基本手当を支給すべ
き日(当該基本手当を支給すべき日がないときは公共職業安定所長の定め
る日)に支給する
●認定手続
最初の支給日までに、傷病手当支給申請書に受給資格者証を添えて提出
④支給内容
1)支給額
基本手当の日額に相当する額
2)支給日数
傷病手当を支給し得る日数は、所定給付日数からすでに基本手当を支給
した日数を差し引いた日数である
したがって、延長給付に係る基本手当を受給中の受給資格者については
支給されない
2.高年齢継続被保険者に対する求職者給付
高年齢受給資格者に対する求職者給付は、高年齢求職者給付のみであり、基本
手当、延長給付、技能習得手当、寄宿手当及び傷病手当は支給されない
(1)高年齢求職者給付金
①高年齢受給資格
被保険者期間が、離職日以前1年間(最大4年)に通算して6箇月以上
②受給手続
1)離職日の翌日から起算して1年を経過する日までに、管轄公共職業安定
所に出頭し、求職の申込みをした上で、失業の認定を受けなければなら
ない
2)求職の申込みをした際、離職票を提出した者が高年齢受給資格者であ
ると認められたときは、失業認定日及び高年齢求職者給付金の支給日を
定め、高年齢受給資格者証を交付しなければならない
3)失業の認定を受けようとするときは、失業認定日に安定所に出頭し、
高年齢受給資格者失業認定申告書に高年齢受給資格者証を添えて提出し
た上、職業の紹介を求めなければならない
4)失業認定日及び高年齢求職者給付金の支給日は変更することができる
5)離職日の翌日から起算して1年を経過する日までの期間に高年齢求職者
給付金を受けることなく就職した後再び失業した場合(新たに特例受給
資格を取得した場合を除く)において、当該期間内に出頭し、求職の申
込みをした上で、失業の認定を受けたときは、高年齢受給資格に基づく
高年齢求職者給付金を受給することができる
●失業の認定日(支給日と同一の日)は、1回のみである
●受給期間の延長は一切行われない
よって、受給期間内(離職日の翌日から起算して1年を経過する日まで)
でなければ、失業の認定も給付金の受給もできない
●内職収入は減額されない
●待期、未支給給付、給付制限、返還命令等は、受給資格者の場合を準用
する
③支給額
算定基礎期間が、1年未満の場合、給付日数は30日、1年以上の場合、給
付日数は50日となる
賃金日額の最低限度額は2,330円、最高限度額は30歳未満の者に適用され
る額12,910円とする(受給資格者と同様)
65歳に達した日以後の算定基礎期間は、10分の10を限度として厚労省令
で定める率を乗じて得た期間とする(現在実期間で計算される)
3.短期雇用特例被保険者に対する求職者給付
(1)特例一時金
①特例受給資格者
1)受給資格要件
・離職による被保険者資格の喪失の確認を受けたこと
・失業状態にあること
・離職の日以前1年間(算定対象期間/最大4年))に被保険者期間が通算
して6箇月以上であること
2)被保険者期間計算の特例
歴月で計算され、月の途中で就職した場合には、その月の初日から、月
の途中で離職した場合には、その月の末日まで雇用されたものとみなさ
れ、この1歴月中に賃金支払基礎日数が11日以上あるものを被保険者期
間1箇月として計算する(被保険者期間が2分の1箇月とする計算の適用
はない)
②受給手続
1)離職日の翌日から起算して6箇月を経過する日までに管轄公共職業安定
所に出頭し、求職の申込みをした上で、失業の認定を受けなければなら
ない
2)求職の申込みをした際、離職票を提出した者が、特例受給資格者であ
ると認めたときは、失業認定日及び特例一時金の支給すべき日を定め、
特例受給資格者証を交付しなければならない
3)失業の認定を受けようとするときは、失業認定日に安定所に出頭し、
特例受給資格者失業認定申告書に特例受給資格者証を添えて提出した
上、職業の紹介を求めなければならない
4)失業認定日及び特例一時金を支給すべき日は変更することができる
5)離職日の翌日から起算して6箇月を経過する日までの期間内に特例一時
金を受けることなく就職した後再び失業した場合(新たに受給資格、高
年齢受給資格又は特例受給資格を取得した場合を除く)において、当該
期間内に出頭し、求職の申込みをした上で、失業の認定を受けたとき
は、特例受給資格に基づく特例一時金を受給することができる
●失業の認定日(支給日と同一の日)は、1回のみである
●受給期間の延長は一切行われない
よって受給期間内(離職日の翌日から起算して6箇月を経過する日まで)
でなければ、失業の認定も給付金の受給もできない
●内職収入は減額されない
●待期、未支給給付、給付制限、返還命令等は、受給資格者の場合を準用
する
③支給額
特例一時金の額=基本手当日額×40日
ただし、失業の認定日から受給期限日までの日数が40日未満であるとき
は、その日数分しか支給されない
④公共職業訓練等を受ける場合の特例
特例一時金を受ける前に、40日以上2年以内の公共職業訓練等を受講する
場合には、その者を受給資格者とみなし、訓練終了までの間、求職者給付
が支給される
1)特例により支給される求職者給付
基本手当、技能習得手当及び寄宿手当(傷病手当以外の求職者給付)に限
られる
2)特例の場合の失業の認定
証明書により毎月1回
3)離職制限により給付制限の適用を受ける者
特例受給資格者については、公共職業訓練等を受講する場合であっても
離職理由による給付制限は解除されない
4.日雇労働被保険者に対する求職者給付
(1)普通給付
①日雇受給資格
1)前2月間に、印紙保険料が通算して26日分以上納付されていること
2)前2月の各月において18日以上同一の事業主の適用事業所に雇用された
日雇労働被保険者又は31日以上雇用された日雇労働被保険者が資格継
続の認可を受けなかったため、日雇労働被保険者とされなくなった最初
の月に離職し、失業した場合には、その失業した月の間における日雇労
働者給付金については、その者を日雇労働被保険者とみなす
②受給手続
1)日雇労働求職者給付金は、失業している日(失業認定を受けた日
に限る)について支給する
2)失業していることについて認定を受けようとする者は、公共職業安定
所に出頭し、求職の申込みをしなければならない
3)日雇労働求職者給付金は、失業の認定を行った日に支給する
●失業の認定(原則)
希望する任意の公共職業安定所において、日々その日について行われる
●失業の認定の時刻
所定の時限までに、出頭して、被保険者手帳を提出して求職の申込みを
行わなければならない
失業の認定あらかじめ及び支給を行う時刻を定め、掲示する等の方法に
よって、あらかじめ知らせておかなければならない
③日雇労働求職者給付の日額及び自動的変更
1)日雇労働求職者給付金の日額
前2月間の印紙保険料の納付状況 | 等級区分 | 日額 |
第1級印紙保険料(176円) 24日分以上 |
第1級給付金 |
7,500円 |
第1級及び第2級印紙保険料 (146円)合計24日分以上 |
第2級給付金 | 6,200円 |
第1級、第2級及び第3級印紙 保険料(96円)の順に選 んだ24日分の平均額が第2級 印紙保険料の日額以上 |
||
上記以外のとき | 第3級給付金 | 4,100円 |
2)厚生労働大臣は、平均定期給与額が、直近の日額等の変更の基礎とな
った平均定期給与額の100分の120を超え、又は100分の83を下るに至
った場合において、その状態が継続すると認めるときは、その上昇し、
又は低下した率を基準として、日額等を変更しなければならない
④日雇労働求職者給付金の支給日数等
1)失業の認定を受けた日について、その月の前2月間に納付している印紙
保険料に応じ、次の日数分を限度して支給する
納付された印紙保険料 | 支給日数 |
通算して26日分から31日分 |
通算して13日分 |
通算して32日分から35日分 | 通算して14日分 |
通算して36日分から39日分 |
通算して15日分 |
通算して40日分から43日分 | 通算して16日分 |
通算して44日分以上 | 通算して17日分 |
2)各週(日曜日から土曜日までの7日をいう)につき職業に就かなかった最
初の日については支給しない
(2)特例給付
①受給要件・受給手続
日雇労働被保険者が失業した場合において、次の1)から3)のいずれにも
該当するときは、公共職業安定所長に申し出て、特例給付による日雇労働
求職者給付金の支給を受けることができる
1)継続する6月間(基礎期間)に印紙保険料が各月11日分以上、かつ、通
算して78日分以上納付されていること
2)基礎期間のうち後の5月間に普通給付又は特例給付による日雇労働求
職者給付を受けていないこと
3)基礎期間の最後の月の翌月以後2月間(申し出をした日が当該2月の期
間内にあるときは、同日までの間)に普通給付による日雇労働求職者
給付金を受けていないこと
・申出は、基礎期間の最後の月の翌月以後4月の期間内に行わなければな
らない
・特例給付の失業の認定は、基本手当と同様、4週間に1回ずつ管轄公共
職業安定所で行われる(各週の不就労日の計4日分が除かれて24日分支
給)
②特例給付による日雇労働求職者給付金の日額
前2月間の印紙保険料の納付状況 | 等級区分 | 日額 |
第1級印紙保険料(176円) 72日分以上 |
第1級給付金 |
7,500円 |
第1級及び第2級印紙保険料 (146円)合計72日分以上 |
第2級給付金 | 6,200円 |
第1級、第2級及び第3級印紙 保険料(96円)の順に選 んだ72日分の平均額が第2級 印紙保険料の日額以上 |
||
上記以外のとき | 第3級給付金 | 4,100円 |
③特例給付による日雇労働求職者給付金の支給日数等
基礎期間の最後の月の翌月以後4月の期間内の失業している日(失業の認
定を受けた日に限る)について、通算して60日分を限度とする
(3)併給調整
①特例給付と普通給付の調整
1)基礎期間の最後の月の翌月以後2月の間に特例給付の申出をした者につ
いては、この2月の間普通給付は行われない
2)基礎期間の最後の月の翌月から起算して第3月目又は第4月目に当たる
月において、同一に日については特例給付又は普通給付のいずれか一方
の給付しか行われない
②基本手当との調整
日雇労働求職者給付金を受けることができる者が、受給資格者である場合に
おいて、基本手当の支給を受けたときは、日雇労働者求職者給付を支給せ
ず、日雇労働求職者給付金の支給を受けたときは基本手当を支給しない
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