■被扶養者等
1.被扶養者
(1)被扶養者の範囲
■被扶養者の要件
要件 | 続柄 | 備考 |
①生計維持 |
直系尊属 例:父母・祖父母・曾祖父母等 |
養父母は父母に該当する |
継父母は父母に該当しない | ||
配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情に ある者を含む) |
||
子 | 養子は子に該当する | |
継子は子に該当しない | ||
孫 | ||
弟妹 | ||
②生計維持 同一世帯 |
3親等内の親族(①の該当者を除く) 例:兄姉・配偶者の父母 |
継父母・継子は3親等内の 親族に該当する |
事実婚の配偶者の父母・子 | ||
事実婚の配偶者の死亡後のその父母・子 |
*従兄弟(従姉妹)、甥や姪の子は3親等内の親族に該当しない
*事実婚の配偶者の祖父母や孫を被扶養者とすることはできない
(2)生計維持関係の認定
■認定対象者の年間収入の要件
被保険者と同一世帯 であるか否か |
認定対象者の年間収入の要件 | |
同一世帯に 属している場合 |
130万円(60歳以上又は 障害者は180万円)未満 |
被保険者の年間収入の1/2未満 又は 生計維持の中心である 被保険者の年間収入を上回らない |
同一世帯に 属していない場合 |
被保険者からの援助による収入額 より少ない |
①年間収入
公的年金や失業等給付による収入も含まれる
②共稼ぎの夫婦の場合
1)原則として、年間収入の多い方の被扶養者とする
2)同程度であれば、主として生計を維持する者の扶養者とする
3)共済組合の組合員で扶養手当等の支給が行われている場合は、その支給
を受けている被保険者の扶養者として差し支えない
(3)同一世帯関係
被保険者と住居及び家計を共同する者いい、同一戸籍内にあるか否かを問わ
ず、被保険者が世帯主であることを要しない
①障害者支援施設等に入所中の取扱い
個別具体的な事例に即して、一時的な別居であると認められるときは、な
お被保険者と同居しているとして取り扱う
②保険事故発生後の扶養の事実
発生後でも扶養の事実があれば、被扶養者として保険給付が行われる
2.資格の得喪の確認等
(1)資格の得喪の確認
①保険者等の確認によってその効力を生ずる
②確認は、事業主の届出、被保険者等の請求、又は職権により行う
*被保険者等はいつでも請求することができ、保険者等はその請求に係る事
実がないと認めるときはその請求を却下する
*任意継続被保険者及び特例退職被保険者の資格の得喪については、保険者
等の確認は行われない
(2)通知
①個性労働大臣は、任意適用事業所の取消の認可を行ったときはその旨を通
知するものとし、保険者等は、資格の得喪の確認又は標準報酬の決定若し
くは改定を行ったときはその旨を通知しなければならない
②事業主は、通知があったときは速やかに被保険者等に通知しなければなら
ない
3.被保険者に関するその他の届出
(1)被保険者氏名変更届
速やかに、事業主に申し出るとともに、被保険者証を事業主に提出しなけれ
ばならない
事業主は遅滞なく氏名変更届を厚生労働大臣(機構)又は健康保険組合に提出
しなければならない
*氏名変更届の提出の際は、被保険者証も提出しなければならない
*任意継続被保険者及び退職特例被保険者が、氏名又住所を変更したとき
は、5日以内に本人が保険者(協会又は健康保険組合)に届けなければなら
ない
(2)被保険者住所変更届
協会が管掌する健康保険の一般の被保険者は、住所を変更したときは、速や
かに、事業主に申し出なければならない
協会は申出を受けたときは、遅滞なく、住所変更届を厚生労働大臣(機構)に
提出しなければならない
*住所変更届の提出の際には、被保険者証を提出する必要はない
(3)法第118条第1項該当・不該当届
事業主は、次にいずれかに該当し、又は該当しなくなったときは、5日以内
に所定の事項を厚生労働大臣又は健康保険組合に届け出なければならない
①少年院その他これに準ずる施設に収容されたとき
②刑事施設、労役場その他これに準ずる施設に拘禁されたとき
*任意継続被保険者、特例退職被保険者又は被保険者資格を喪失後保険給付
を受ける者は、その者若しくはその被扶養者が上記給付制限事由に該当
し、又は該当しなくなったときは、5日以内に所定の事項を保険者(協会又
は健康保険組合)に届け出なければならない
●所定の事項
1)事業所整理記号及び被保険者整理番号(健康保険組合の場合は、被保険
者証の記号及び番号)
2)氏名及び生年月日
3)該当し、又は該当しなくなった年月日
(4)被扶養者(移動)届
被扶養者を有するとき、又は有するに至ったときは、5日以内に、被扶養者
届を事業主を経由して、厚生労働大臣(機構)又は健康保険組合に提出
変更がったときは、その都度、同様に届出
*配偶者から暴力を受けた被扶養者の取扱い等について
被害者から証明書等を添付して被扶養者から外れる旨の申出がなされた場
合には、被扶養者から外れることができる
(5)介護保険第2号被保険者適用除外等該当・非該当届
①介護保険第2号被保険者に該当しなくなったときは、遅滞なく、届書を事
業主を経由して厚生労働大臣(機構)又は健康保険組合に届け出なければな
らない(65歳に達したときはこの限りではない)
②介護保険第2号被保険者に該当するに至ったときは、遅滞なく、届書を事
業主を経由して厚生労働大臣(機構)又は健康保険組合に届け出なければな
らない(40歳に達したときはこの限りではない)
*任意継続被保険者又は特例退職被保険者の場合は、本人が、遅滞なく、保
険者(協会又は健康保険組合)に届け出なければならない
■被保険者に関する届出のまとめ
届出 | 提出者 | 期限 |
被保険者資格取得届 | 事業主 | 5日以内 |
被保険者資格喪失届 | ||
被保険者氏名変更届 | 遅滞なく | |
被保険者住所変更届 | ||
法第118条第1項該当・不該当届 | 5日以内 | |
被扶養者(移動)届 | 被保険者(事業主経由) | |
介護保険第2号被保険者適用除外等 該当・非該当届 |
遅滞なく | |
保険者選択届 | 被保険者 | 10日以内 |
4.被保険者証
(1)被保険者証の交付
①協会は、厚生労働大臣(機構)から、資格の取得の確認又は事業所整理記号
及び被保険者整理番号の変更を行った旨の情報を受け取ったときは、被保
険者証を被保険者に交付しなければならない
②健康保険組合は、資格の取得の確認を行ったとき、又は被保険者証の記号
及び番号を変更したときは、被保険者証を被保険者に交付しなければなら
ない
(2)被保険者証の訂正
変更があったときは、遅滞なく、被保険者証を保険者(協会又は健康保険組
合)に提出しなければならない
この場合において、協会に提出するときは、事業主及び厚生労働大臣の順
に、健康保険組合に提出するときは事業主を経由して行う
(3)被保険者証の再交付
(4)被保険者証の検認又は更新等
(5)被保険者証の返納
①一般被保険者の資格喪失(死亡以外の場合)、保険者の変更、被扶養者の異
動
1)事業主に5日以内に提出する
2)事業主は遅滞なく保険者(協会又は健康保険組合)に返納する
ただし、協会の場合は、厚生労働大臣(機構)経由で、協会に返納する
②任意継続被保険者の資格喪失、保険者の変更、被扶養者の異動
1)直接、保険者(協会又は健康保険組合)に5日以内に返納する
③死亡による被保険者の喪失
1)埋葬料又は埋葬に要した費用の支給を受けるべき者は、その申請の際、
保険者に返納する
ただし、支給を受けるべき者がないときは、埋葬を行った者において返
納する
5.被保険者資格証明書
被保険者証の交付又は再発行が行われるまでの間に、被保険者等が療養を受
ける必要があると認めるときに限り、被保険者資格証を有効期限を定めて交
付する
6.高齢受給者証
保険者は、被保険者等が70歳以上の一部負担金の規定の適用を受けるとき
は、被保険者に高齢受給者証を有効期限を定めて交付しなければならない
ただし、被保険者証に上記規定を明記した場合はこの限りではない
*日雇特例被保険者には、被保険者証や高齢受給者証は交付されない
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