■目的等
1.目的
労働者の業務外の事由による疾病、負傷若しくは死亡又は出産及びその扶養者
の疾病、負傷、死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安
定と福祉の向上に寄与すること
・労災保険が業務上(通勤上)の保険事故に対して保険給付を行うのに対し、健
康保険は業務外の保険事故に対して保険給付を行う
・健康保険の保険給付には、療養の給付等の現物給付と傷病手当金、出産手当
金等の現金給付がある
●業務上事故として申請中の取扱い
未決期間中は、一応業務上の取扱いをし、最終的に業務上の傷病ではないと
認定され、健康保険法による業務外と認定された場合には、さかのぼって療
養費、傷病手当金等の給付が行われる
●法人の代表者等に対する健康保険の給付について
被保険者数が5人未満のである適用事業所に属する法人の代表者等であっ
て、一般の従業員と著しく異ならないような労務に従事しているものについ
ては、その者の業務遂行の過程において業務に起因して生じた傷病に関して
も、健康保険法による給付の対象とする
ただし、その傷病については、法人代表者等は、自らの報酬を決定すべき立
場にあり、報酬の減額を受けるべき立場にないことから傷病手当金を支給し
ない
●法人の代表者等のうち、労災法の特別加入者及び労基法上の労働者の地位を
併せ保有すると認められる者であって、これにより業務に起因して生じた傷
病に関し労災保険による保険給付が行われてしかるべきものに対しては、健
康保険の保険給付は行わない
2.基本的理念
医療保険制度の基本をなすものであることをかんがみ、高齢化の進展、疾病構
造の変化、社会経済情勢の変化等に対応し、その他の医療保険制度及び後期高
齢者医療制度等と併せてその在り方に関して常に検討を加えられ、その結果に
基づき医療保険の運営の効率化、給付内容及び費用の負担の適正化並びに国民
が受ける医療の質の向上を総合的に図りつつ、実施されなければならない
●検討
政府は、健康保険法等の一部改正する法律(H18年)の施行後5年を目途とし
て、この法律の施行の状況等を勘案し、この法律により改正された医療保険
各法及び改正後の高齢者の医療の確保に関する法律の規定に基づく規制の在
り方にについて検討を加え、必要がると認めるときは、その結果に基づいて
所要の措置を講ずるものとする
3.権限の委任等
厚生労働大臣に係る事務の一部は、日本年金機構に行わせる
日本年金機構とは、社会保険庁の廃止に伴い、平成22年1月に新たに設立され
た公法人であり、厚生労働大臣の監督の下に、政府が管掌する厚生年金保険事
業及び国民年金事業等を兼務運営を担うこととされている
(1)機構への厚生労働大臣の権限に係る事務の委任(機構の名で機構が行う)
(2)機構への事務の委託(厚生労働大臣の名で機構が行う)
(3)機構が行う滞納処分等
・滞納処分を行う場合には、あらかじめ、厚生労働大臣の認可を受ける
・滞納処分等実施規定に従い、徴収職員に行わせなければならない
・徴収職員は、滞納処分等に係る法令に関する知識並びに実務に必要な知識
及び能力を有する機構の職員のうちから厚生労働大臣の認可を受けて機構
の理事長が任命する
・機構は、滞納処分等をしたときは、速やかに、その結果を厚生労働大臣に
報告しなければならない
(4)財務大臣への権限の委任
厚生労働大臣は、滞納処分に関して、財務大臣に、財務大臣は国税庁長官
に、国税庁長官は国税局長に、国税局長は税務署長にその権限を委託するこ
とができる
(5)地方厚生局長等への権限の委任
健康保険法に規定する厚生労働大臣の権限のうち、全国健康保険協会、健康
保険組合、保険医療機関等、保険医、指定訪問看護事業者の指導・監督に係
るものは、原則として、地方厚生局長等に委任されている
1)地方厚生局長等に委任される主な権限
①健康保険組合に係る任意適用事業所の認可・取消の認可(組合の設立又
は解散と伴う場合を除く)
②保険医療機関等の指定・指定取消・指導・質問・検査・報告等
③保険医又は保険薬剤師の登録・登録取消・指導・質問・命令・報告等
④指定訪問看護事業者の指定・指定取消・変更の届出・指導・質問・検
査・報告等
⑤健康保険組合の一般保険料の変更の認可(健康保険組合の設立、合併又
は分割を伴う場合及び特定健康保険組合の認可に伴う場合を除く)
⑥全国保険協会又は健康保険組合が国税滞納処分の例により滞納処分を行
う場合の認可
2)管轄地方厚生局長等の経由
健康保険組合が厚生労働大臣に提出すべき書類は、管轄地方厚生局長等を
経由するものとされている
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