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平成19年第39回社労士労働者災害補償保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律択一式試験問題

100 点満点 ( 合格点 70 点 )


問題 1.

次の記述のうち、正しいものはどれか。

  A 業務上の負傷に起因する疾病は、労働基準法施行規則第35条及び別表第1の2で定める業務上の疾病に含まれない。
  B 通勤による疾病とは、通勤途上で生じた疾病その他厚生労働省令で定める疾病をいう。
  C 事業場内での事故による負傷であっても、例えば自動車の整備に従事する者が事業場の施設内で休憩時間中に喫煙しようとしたところガソリンの染み込んだ作業衣に引火して生じた火傷は、休憩時間中の私的行為によるものであるので、業務上の負傷に該当しない。
  D 業務との関連性のある疾病であっても、労働基準法施行規則別表第1の2第1号から第10号までに掲げる疾病その他「業務に金することの明らかな疾病」
  D 業務との関連性がある疾病であっても、労働基準法施行規則別表第1の2第1号から第10号までに掲げる疾病その他「業務に起因することの明らかな疾病」に該当しなければ、業務上の疾病とは認められない。
  E 業務上の疾病が治って療養の必要がなくなった場合には、その後にその疾病が再発しても、新たな業務上の事由による発病でない限り、業務上の疾病とは認められない。

問題 2.

次の記述のうち、正しいものはどれか。

  A 給付基礎日額は、労働基準法第12条の平均賃金に相当する額とされているが、この場合において、同条第1項の平均賃金を算定すべき事由の発生した日は、業務上の事由又は通勤による負傷、疾病、障害若しくは死亡の原因である事故の発生した日とされる。
  B 休業補償給付又は休業給付(以下この問において「休業補償給付等」という。)の額の算定に用いられる給付基礎日額には、原則として、労働基準法第12条の平均賃金に相当する額が用いられるが、休業補償給付等を支給すべき事由が生じた日が当該休業補償給付等に係る療養を開始した日から起算して1年6か月を経過した日以後の日である場合において、四半期(1~3月、4~6月、7~9月、10~12月)ごとの毎月勤労統計における労働者1人当たりの平均給与額が休業補償給付等の算定事由発生日に属する四半期の平均給与額(「毎月決まって支給する給与」の1か月平均額)の100分の110を超え、又は100分の90を下回るに至ったときは、その上昇し、又は低下するに至った四半期の翌々四半期の初日以後に支給事由が生じた休業補償給付等については、その上下した数値を労働基準法第12条の平均賃金に相当する額に乗じてスライドさせた額が給付基礎日額として用いられる。
  C 年金たる保険給付の額の算定に用いられる給付基礎日額には、原則として、労働基準法第12条の平均賃金に相当する額が用いられるが、毎月勤労統計における労働者1人当たりの平均給与額が給付基礎日額の算定事由発生日に属する年度(4月から翌年3月まで)における平均給与額の100分の110を超え、又は100分の90を下るに至った場合は、その上下した比率を基準として厚生労働大臣が定める率を労働基準法第12条の平均賃金に相当する額に乗じてスライドさせた額が、算定事由発生日に属する年度の翌々年度の8月以降の給付基礎日額をして用いられる。
  D 給付基礎日額については、厚生労働省令で定める年齢階層ごとに厚生労働大臣が最低限度額又は最高限度額を定めており、休業補償給付等又は年金たる保険給付を支給すべき事由が生じた時期にかかわらず、その額の算定に用いられる給付基礎日額が当該最低限度額に満たず、又は当該最高限度額を超える場合には、この最低限度額又は最高限度額が休業補償給付等又は年金たる保険給付の額の算定基礎として用いるべき給付基礎日額となる。
  E 障害補償一時金若しくは障害一時金又は遺族補償一時金若しくは遺族一時金の額の算定に用いる給付基礎日額のスライドは、年金たる保険給付の額の算定に用いる給付基礎日額のスライドに準ずる。

問題 3.

次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  A 年金たる保険給付の支給は、支給すべき事由が生じた月の翌月から開始され、支給を受ける権利が消滅した月で終了する。
  B 年金たる保険給付は、その支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた月の翌月からその事由が消滅した月までの間は、支給されない。
  C 年金たる保険給付は、毎年2月、4月、6月、8月、10月及び12月の6期に分けて、それぞれの前月分までが支払われることとされており、その支給を受ける権利が消滅した場合には、その消滅した月に応ずる上記の支払期日又はその支給を受けるべき者が指定した月に支払われる。
  D 保険給付を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき保険給付でまだその者に支給しなかったものがある場合において、その未支給の保険給付を受けるべき同順位の者が2人以上いるときは、その1人がした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなされる。
  E 同一の傷病に関し、休業補償給付又は休業給付を受けている労働者が障害補償給付若しくは障害給付又は傷病補償年金若しくは傷病年金を受ける権利を有することとなり、かつ、休業補償給付又は休業給付は行われないこととなった場合において、その後も休業補償給付又は休業給付が支払われたときは、その支払われた休業補償給付又は休業給付は、当該障害補償給付若しくは障害給付又は傷病補償年金若しくは傷病年金の内払とみなされる。

問題 4.

次の記述のうち、誤っているものはどれか。
なお、以下において「労災保険法」とは「労働者災害補償保険法」のことである。

  A 療養の給付は、労災保険法第29条第1項の事業として設置された病院若しくは診療所又は都道府県労働局長の指定する病院若しくは診療所、薬局若しくは訪問看護事業者において行われる。
  B 業務上の傷病について、労働基準法は、使用者がその費用で「必要な療養」を行い、又jは「必要な療養の費用」を負担しなければならないとし、その「療養の範囲」として、労働基準法施行規則は具体的な療養項目のうち「療養上相当と認められるもの」と定めており、これに対応して、労災保険法は、療養補償給付たる「療養の給付」の範囲として、同様な療養項目のうち「政府が必要と認めるものに限る」と定めている。
  C 療養の給付をすることが困難な場合のほか、療養の給付を受けないことについて労働者に相当な理由がある場合には、療養の給付に代えて療養の費用が支給される。
  D 療養補償給付たる療養の費用の支給を受けようとする者は、所定の事項を記載した請求書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならないが、その場合に、負傷又は発病の年月日、傷病の発生状況等をはじめ、傷病名及び療養の内容並びに療養に要した費用(病院又は診療所の労働者が提供する看護及び訪問看護又は移送に要した費用は除く。)の内容について、医師その他の診療担当者の証明を受ける必要がある。
  E 二次健康診断給付を受けようとする者は、所定の事項を記載した請求書を、当該二事件く診断給付を受けようとする労災保険法第29条第1項の事業として設置された病院若しくは診療所又は都道府県労働局長の指定する病院若しくは診療所を経由して所轄都道府県労働局長に提出しなければならない。

問題 5.

次の記述のうち、正しいものはどれか。

  A 業務上の傷病又は通勤による傷病が療養開始後1年6か月を経過しても治らず、かつ、当該傷病による障害の程度が厚生労働省令で定める傷病等級に該当する労働者は、所轄労働基準監督署長に所定の請求書を提出し、傷病補償年金又は傷病年金の支給を受けることができる。なお、傷病補償年金又は傷病年金の支給を受けることとなったときは、休業補償給付又は休業給付は支給されない。
  B 傷病補償年金又は傷病年金は、業務上の傷病又は通勤による傷病が療養開始後1年を経過しても治らず、かつ、障害の程度が厚生労働省令で定める傷病等級に該当する場合に、所轄労働基準監督署長がその支給を決定する。傷病補償年金又は傷病年金の支給が決定された場合には、休業補償給付又は休業給付は支給されない。
  C 傷病補償年金又は傷病年金の支給要件にかかわる業務上の傷病又は通勤による障害の程度は、6か月以上の期間にわたって存する障害の状態によって認定される。
  C 障害補償年金又は障害年金を受ける労働者の当該障害の程度に変更があり、障害等級8級以下に該当するに至った場合には、従前の障害補償年金又は障害年金は支給されず、新たに該当するに至った障害等級に応ずる障害補償一時金又は障害一時金が支給されることとなるが、その額が、従前の6年間に支給された障害補償年金又は障害年金の合計額を超える場合には、その超える部分の額を減じた額の障害補償一時金又は障害一時金が支給される。
  E 障害補償一時金又は障害一時金を受けた労働者の当該障害の程度に変更を生じ、障害等級7級以上に該当するに至った場合には、新たに該当するに至った障害等級に応ずる障害補償年金又は障害年金が支給されることとなるが、①その額を、すでに支給された障害補償一時金又は障害一時金の25分の1の額を減じた額とするか、②当該障害補償一時金又は障害一時金の額に達するまでの間は障害補償年金又は障害年金の支給を停止するか、そのいずれかを受給者は選択することができる。

問題 6.

次の記述のうち、正しいものはどれか。

  A 遺族補償年金又は遺族年金を受けることができる遺族は、労働者の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であって、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたものであるが、妻(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあったものを含む。)以外の者にあっては、労働者の死亡当時①夫(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあったものを含む。)、父母又は祖父母については60歳以上、②子又は孫については18才未満、③兄弟姉妹については18歳未満または60歳以上、④上記の要件に該当しない夫、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹については厚生労働省令で定める障害の状態ある場合に限られる。
  B 遺族補償年金又は遺族年金を受けることができる遺族について、労働者の死亡の当時胎児であった子が出生したときは、その子は、将来に向かって、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたとみなされ、また、その子が厚生労働省令で定める障害の状態で出生した場合についても、将来に向かって、労働者の死亡の当時厚生労働省令で定める障害の状態にあったとみなされる。
  C 遺族補償年金又は遺族年金の受給資格要件の一つである厚生労働省令で定める障害の状態は、身体に障害等級第5級以上に該当する障害がある状態又は傷病が治らないで、身体の機能若しくは精神に、労働が高度の制限を受けるか、若しくは労働に高度の制限を加えることを必要とする程度以上の障害がある状態である。
  D 遺族補償年金又は遺族年金を受ける権利は、その権利を有する遺族が、①死亡したとき、②婚姻(婚姻の届け出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)をしたとき、③6親等以内の直系血族又は3親等内の直系姻族の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。)となったとき、④離縁によって死亡労働者との親族関係が終了したとき、⑤子、孫又は兄弟姉妹については年齢要件が消滅したとき(厚生労働省令で定める障害状態にある場合を除く。)、⑥厚生労働省令で定める障害状態がなくなったとき(年齢要件を満たす場合を除く。)は、消滅する。
  E 遺族補償一時金又は遺族一時金の支給を受けることができる遺族は、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していなかった配偶者、子、父母、孫祖父母及び兄弟姉妹であり、遺族補償一時金又は遺族一時金の支給を受けるべき遺族の順位も、この順序による。

問題 7.

次の記述のうち、正しいものはどれか。

  A 事業主の故意若しくは重大な過失により生じた業務災害又は労働安全衛生法その他労働者の安全及び衛生の確保を図るための法令に事業主が違反したことにより生じた業務災害について保険給付を行ったときは、政府は、労働基準法の規定による災害補償の価額の限度で、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を当該事業虫から徴収することができる。
  B 偽りその他の不正な手段により保険給付を受ける者があるときは、政府は、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部をその者から徴収することができる。
  C 労働者が偽りその他不正な手段により保険給付を受けたときは、これに係る事業主の報告又は証明の真偽にかかわらず、政府は、その事業主に対し、保険給付を受けた者と連帯して、保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を返還すべきことを命ずることができる。
  D 労働者の業務災害に関する保険給付は、当該労働者を使用する事業主の災害補償責任に基づくものであるので、その費用については事業主が保険料としてその全額を負担するが、通勤災害に関する保険給付の費用については、その一定割合を国庫が負担することとなっている。
  E 通勤災害により保険給付を受ける者は、その受ける保険給付の額を合計した額が厚生労働省令で定める額を超えることとなったときは、当該保険給付の一部として、厚生労働大臣が定める額を負担しなけれがならない。

問題 8.

次の記述のうち、正しいものはどれか。
なお、以下において、「労災保険」とは「労働者災害補償保険」のことであり、「労働保険」とは「労働者災害補償保険及び雇用保険」のことであり、「有期事業」とは「事業の期間が予定されている事業」のことであり、「継続企業」とは「有期事業以外の事業」のことである。

  A 労災保険に係る労働保険の保険関係及び雇用保険に係る労働保険の保険関係が保険年度の当初に成立している継続事業であって、納付すべき概算保険料の額が40万円以上のもの又は当該事業に係る労働保険事務の処理が労働保険事務組会に委託されている者についての事業主は、概算保険料の延納の申請をした場合には、その概算保険料を所定の各期に分けて納付することができる。
  B 有期事業のうち、建設の事業及び立木の伐採の事業の事業主については、他の業種の有期事業の事業主とは異なり、労働保険の保険関係が成立した日から10日以内に、概算保険料を納付しなければならない。
  C 所定の要件を満たす継続事業の事業主については、延納の申請をした場合には、第1期から第4期までの各期に分けて概算保険料を納付することができる。
  D 労働保険の保険関係が消滅した事業の事業主は、その消滅した事業が継続事業である場合にはその消滅した日から30日以内に、その消滅した事業が有期事業である場合にはその消滅した日から15日以内に、所定の事項を政府に届け出なければならない。
  E 事業主は、保険年度の中途に労働保険の保険関係が成立した継続事業についてはその保険関係が成立した日から20日以内に、それ以外の継続事業については保険関係年度ごとにその保険年度の6月1日から40日以内に、概算保険料を納付しなければならない。

問題 9.

次の記述のうち、正しいものはどれか。

なお、以下において、「労働保険徴収法」とは「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」のことであり、「一般拠出金」とは「石綿による健康被害の救済に関する法律第35条第1項の規定により徴収される一般拠出金」のことである。

  A 政府は、保険年度の中途において、一般保険料の引き上げを行ったときは、概算保険料を追加徴収することとされているが、第1種特別加入保険料率、第2種特別加入保険料率及び第3種特別加入保険料率については、保険年度の中途での率の引き上げが制度上予定されていないことから、概算保険料の追加徴収に関する規定は存在しない。
  B 事業主は、保険料算定基礎日額の見込み額が増加し、又は減少した場合において、増加後の見込み額が増加前の見込み額の100分の200を超え、又は減少後の見込み額が減少前の見込み額の100分の50未満となるときは、その日から30日以内に、増加後又は減少後の見込み額に基づく概算保険料の額と納付した概算保険料の額との差額を納付しなければならず、又は当該差額について還付の請求をすることができる。
  C 事業主は、労働保険料を日本銀行(本店、支店、代理店及び歳入代理店をいう。以下同じ。)に納付することができるが、概算保険料申告書及び確定保険料申告書を日本銀行を経由して所轄労働局歳入調整官に提出することはできない。
  D 政府は、保険年度の中途において、一般保険料の引き下げを行った場合において、当該引き下げに相当する額の労働保険料が厚生労働省令の定める額を超える事業があるときは、当該事業の事業主の請求に基づき、その超える額を還付することができる。
  E 事業主が、確定保険料申告書を提出する際に、又は労働保険料徴収法の規定により政府が決定した確定保険料の額の通知を受けた日の翌日から起算して10日以内に、それぞれ、すでに納付した概算保険料の額のうち、確定保険料の額を超える額(以下「超過額」という。)の還付を請求しないとき場合には、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、その超過額を未納の一般拠出金にも充当することができる。

問題 10.

次の記述のうち、正しいものはどれか。

なお、以下において、「労働保険徴収法施行規則」とは」労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則」のことである。

  A 労災保険に係る労働保険の保険関係が成立しているすべての事業の事業主は、労災保険関係成立表を見易い場所に掲げなければならない。
  B 事業主は、あらかじめ代理人を選任した場合には、労働保険徴収法施行規則によって事業主が行わなければならない事項を、その代理人に行わせることができるが、事業主は、代理人を選任したときは、所定の様式により、その旨を所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長に届け出なければならない。
  C 事業主若しくは事業主であった者又は労働保険事務組合若しくは労働保険事務組合であった団体は、労働保険徴収法又は労働保険徴収法施行規則による書類を、その完結の日から1年間保存しなければなrない。
  D 労働保険料その他労働保険徴収法の規定による徴収金の先取権の順位は、国税の先取特権の順位に劣後するが、地方税及び厚生年金保険の保険料その他厚生年金保険法の規定による徴収金とは同順位である。
  E 事業主は、労働保険徴収法の規定に基づき、一般保険料の額のうち被保険者の負担すべき額に相当する額を当該被保険者に支払う賃金から控除する場合には、文書により、その控除額を労災保険率に応ずる部分の額と雇用保険率に応ずる部分の額とに分けて当該被保険者に知らせなければならない。