■通勤災害
1.通勤災害の認定
(1)通勤災害の範囲
通勤災害保護制度の対象とされるためには、労災法における次の通勤要件を
満たすことが必要となる
①通勤によること
②就業関連性があること
③次のいずれかに該当する移動であること
1)住居と就業の場所との間の往復
2)厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業場所への移動
3)住居と就業の場所との間の往復に先行し、又は後続する住居間の移動
④合理的な経路及び方法であること
⑤業務の性質を有するものでないこと
●上記の要件について次に具体的に解説する
1)通勤によること
2)就業関連性があること
3)次のいずれかに該当する移動であること
・住居と就業の場所との間の往復
・厚生労働省令で定める就業場所から他の就業場所への移動
・住居と就業の場所との間の往復に先行し、又は後続する住居間の移動
4)合理的な経路及び方法であること
(2)逸脱・中断
移動の経路を逸脱し、又は移動を中断した場合においては、原則として、そ
の逸脱又は中断の間及びその後の移動は、通勤とされないが、
①日常生活上必要な行為を
②やむを得ない事由により行うための
③最小限度の逸脱又は中断については、
逸脱又は中断の間は通勤とされないが、その後の移動については通勤とされ
る
*日常生活上必要な行為をやむを得ない事由により行うための最小限度の逸
脱や中断の場合であっても、その逸脱中断中は通勤災害保護の対象とはな
らない
*ささいな行為を行うにすぎなければ、逸脱・中断に該当せず、通勤災害制
度の適用には影響ない
【具体例】
1)逸脱・中断とは
2)日常生活上必要な行為をやむを得ない事由により行うための最小限度
3)日用品の購入その他これに準ずる行為の具体例
4)これらに準ずる教育訓練であって職業の力の開発向上に資するものを受
ける行為の具体例
5)選挙権の行使その他これに準ずる行為の具体例
6)病院又は診療所において診療又は治療を受けることその他これに準ずる
行為の具体例
7)要介護状態にある配偶者、子、父母、配偶者の父母並びに同居し、か
つ、扶養している孫、祖父母及び兄弟姉妹の介護(継続的に又は反復し
て行われているものに限る)
(3)通勤による疾病の範囲
①療養の給付は、通勤により負傷し、又は疾病にかかった場合に、その請求
に基づいて行う
②厚生労働省令で定める疾病は、通勤による負傷に起因する疾病その他通勤
に起因することの明らかな疾病とする(労災保険施行規則第18条の4)
*具体的な疾病の種類は列挙されていない
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