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平成18年第38回社労士労働者災害補償保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律択一式試験問題

100 点満点 ( 合格点 70 点 )


問題 1.

次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  A 労働者が、就業に関し、住居と就業の場所との間を合理的な経路及び方法により往復すること(業務の性質を有するものを除く。)は、通勤に該当する。
  B 労働者が、就業に関し、厚生労働省令で定める就業場所へ他の就業の場所から合理的な経路及び方法により移動すること(業務の性質を有するものを除く。)は、通勤に該当する。
  C 労働者が、就業に関し、住居と就業の場所との間の往復に先行し、又は後続する住居間に移動であって厚生労働省令で定める要件に該当するものを、合理的な経路及び方法により行うこと(業務の性質を有するものを除く。)は、通勤に該当する。
  D 通勤としての移動の経路を逸脱し、又は移動を中断した場合における逸脱又は中断の間及びその後の移動は、原則として通勤に該当しない。
  E 通勤としての移動の経路を逸脱し又は移動を中断した場合でも、その逸脱又は中断が、日常生活上必要な行為であって厚生労働省令で定めるものをやむをえない事由により行うための最小限度のものであるときは、その逸脱又は中断の間を除き、その後の移動は、通勤に該当する。、

問題 2.

労働者が業務上の傷病の療養のため所定労働時間の一部分について労働することができない日に係る休業補償給付の額について、次の記述のうち正しいものはどれか。

 なお、この問において「給付基礎日額」とは、労働者災害補償保険法(以下「労災保険法」という。)第8条の2第2項第2号に基づき年齢階層ごとに休業給付基礎日額の最高限度額として厚生労働大臣が定める額(以下「最高限度額」という。)が給付基礎日額となる場合にあっては、同号の規定の適用がないものとした場合における給付基礎日額をいう。

  A 当該労働日に所定労働時間労働した場合に受けるべき賃金額から実際に労働した部分についての賃金額を控除して得た額(当該控除して得た額が最高限度額を超える場合にあっては、最高限度額に相当する額)の100分の60に相当する額である。
  B 当該労働日に所定労働時間労働した場合に受けるべき賃金額(その額が給付基礎日額を超える場合にあっては、給付基礎日額)から実際労働した部分についての賃金額を控除して得た額(当該控除して得た額が最高限度額を超える場合にあっては、最高限度額に相当する額)の100分の60に相当する額である。
  C 給付基礎日額から実際に労働した部分についての賃金額を控除して得た額(当該控除して得た額が最高限度額を超える場合にあっては、最高限度額に総とする額)の100分の60に相当する額である。
  D 当該労働日に所定労働時間労働した場合に受けるべき賃金又は給付基礎日額のいずれか高い額から実際に労働した部分についての賃金額を控除して得た額(当該控除して得た額が最高限度額を超える場合にあっては、最高限度額に相当する額)の100分の60に相当する額である。
  E 給付基礎日額又は実際に労働した部分についての賃金額のいずれか高い額(その額が最高限度額を超える場合にあっては、最高限度額に相当する額)の100分の60に相当する額である。

問題 3.

次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  A 傷病補償年金は、業務上の傷病が療養の開始後1年6か月を経過した日おいて、次のいずれにも該当するとき、又は同日後の次にいずれにも該当することとなったときに、その状態が継続している間、支給される。
  ① 当該傷病が治っていないこと
  ②当該傷病による障害の程度が傷病等級第7級以上に該当すること
  B 障害補償年金は、業務上の傷病が治った場合において、当該労働者の身体に障害が残り、その障害の程度が障害等級第7級以上に該当するときに、支給される。
  C 遺族補償年金を受けるべき遺族の順位は、配偶者(婚姻の届け出をしていないが、事実上婚姻と同様の事情にあった者を含む。)、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹の順である。
  D 介護補償給付は、傷病補償年金又は障害補償年金を受ける権利を有する労働者が、当該傷病補償年金又は障害補償年金の支給事由となる障害であって厚生労働省令で定める程度の者により、常時又は随時介護を要する状態にあり、かつ、常時又は随時介護を受けているときに、当該介護を受けている間、(病院その他一定の施設に入所している間を除く。)、当該労働者に対し、その請求に基づいて行われる。
  E 遺族特別年金は、遺族補償年金又は遺族年金の受給権者に対し、その申請に基づいて支給される。

問題 4.

労災保険の年金たる給付(以下この問において「労災年金」という。)と同一の事由により厚生年金保険の年金たる保険給付(以下この問において「厚生年金」という。)又は国民年金の年金たる給付(以下この問において「国民年金」という。)が支給される場合等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  A 厚生年金又は国民年金が支給される場合でも、労災年金は、給付基礎日額に所定の日数分を乗じて得た全額が支給される。
  B 労災年金の額は、給付基礎日額に所定の日数分を乗じて得た額から、厚生年金が支給される場合にあっては当該厚生年金の額のうち基礎年金に相当する額の2分の1に相当する額を減じて得た額とされ、国民年金が支給される場合にあっては当該国民年金の額の3分の1に相当する額を減じて得た額とされる。
  C 労災年金の額は、給付基礎日額に所定の日数分を乗じて得た額に、厚生年金法又は国民年金法上の被保険者が厚生年金又は国民年金の費用を負担する割合に応じた率を乗じて得た額(その額が政令で定める額を下回るときは当該政令で定める額)とされる。
  D 労災年金の額は、給付基礎日額に所定の日数分を乗じて得た額に政令で定める率を乗じて得た額(その額が政令で定める額を下回るときは当該政令で定める額)とされる。
  E 労災保険の受給権者が同一の事由により支給を受けることができる厚生年金又は国民年金の支給を受けないことが確定した場合には、労災年金の額は、給付基礎日額に所定の日数分を乗じて得た額に厚生労働省令で定める率を乗じて得た額(その額が厚生労働省令で定める額を下回るときは当該厚生労働省令で定める額)とされる。

問題 5.

次の記述のうち、正しいものはどれか。

  A 遺族補償給付を受けることができる遺族は、死亡した労働者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。以下、この問において同じ。)であって、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたものでなければならない。
  B 遺族補償年金を受ける権利を有する者の所在が1年以上明らかでない場合には、当該遺族補償年金は,同順位者があるときは同順位者の、同順位者がいないときは次順位者の申請によって、その所在が明らかでない間、その支給は停止される。
  C 遺族補償給付を受けることができる配偶者には、事実上婚姻関係と同様の事情があった者も含まれるが、これはあくまで婚姻の届出が法律上可能な状態にあった者に限られるのであって、いわゆる重婚的内縁関係にあった者は含まれない。
  D 遺族補償給付を受ける権利を有する遺族は、その申請のより、生計の維持が困難であると認められる時に限り、給付基礎日額の千日分に相当する額を限度として厚生労働省令で定める額の遺族補償前払一時金の支給を受けることができる。この場合には、遺族補償年金は、各月に支給されるべき額の合計額が当該遺族補償前払一時金の額に達するまでの間、支給を停止される。
  E 葬祭料の額は、31万5千円に給付基礎日額の30日分を加えた額(その額が給付基礎日額の60日分を超える場合には、給付基礎日額の60日分)である。

問題 6.

次の記述のうち、正しいものはどれか。

  A 療養補償給付を受ける権利は、当該傷病が発生した日の翌日から2年を経過したときは、時効によって消滅する。
  B 休業補償給付を受ける権利は、当該休業に係る傷病が発生した日の翌日から2年を経過したときは、時効によって消滅する。
  C 障害補償給付を受ける権利は、当該傷病が治って障害が残った日の翌日から5年を経過したときは、時効によって消滅する。
  D 傷病補償年金を受ける権利は、当該傷病の療養の開始後1年6か月を経過した日の翌日から2年経過したときは、時効によって消滅する。
  E 葬祭料を受ける権利は、死亡した労働者の葬祭が行われた日の翌日から2年を経過したときは、時効によって消滅する。

問題 7.

保険給付と第三者行為による損害の賠償との関係について、次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  A 政府は、保険給付の原因である事故が第三者の行為によって生じた場合において、保険給付をしたときは、その給付の価額の限度で、保険給付を受けた者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。
  B 政府は、保険給付の原因である事故が第三者の行為によって生じた場合において、保険給付を受けるべき者が当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、その価額の限度で保険給付をしないことができる。
  C 保険給付に付随して支給される特別支給金は、実質的に保険給付と同じく損害のてん補の意義をもつものであるので、その支給の原因である事故が第三者の行為によって生じた場合には、保険給付に準じて損害賠償との調整が行われる。
  D 労働者又はその遺族が事業主から損害賠償を受けることができる場合であって、保険給付(一定の者は除く。)を受けるときに、同一の事由について損害賠償(当該保険給付によっててん補される損害をてん補する部分に限る。)を受けたときは、政府は、厚生労働大臣が定める基準により、その価額の限度で、保険給付をしないことができる。
  E 適用事業の事業主が保険給付の上積みとして独自に行う災害補償については、保険給付と重複するものでない限り、これによって保険給付の調整が行われることはない。

問題 8.

労働保険の保険料の徴収等に関する法律(以下「徴収法」という。)に基づく保険関係等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  A 労災保険の適用事業の事業主については、その事業が開始された日に、その事業につき労災保険に係る労働保険の保険関係(以下この問において「保険関係」という。)が成立する。
  B 労災保険の保険関係の成立した事業の事業主は、その成立した日から10日以内に、所定の事項を政府に届け出なければならない。
  C 労災保険の保険関係が成立している事業がその使用する労働者の数の減少により労災保険暫定任意適用事業に該当するに至ったときは、その翌日に、その事業につき労災保険の加入につき厚生労働大臣の認可があったものとみなされる。
  D 建設の事業又は立木の伐採の事業が数次の請負によって行われる場合には、徴収法の適用については、それらの事業が一の事業とみなされ、元請負人のみが当該事業の事業主となる。
  E 労災保険の保険関係が成立している事業が廃止され、又は終了したときは、その事業についての保険関係は、その翌日に消滅する。

問題 9.

徴収法の適用に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  A 事業主が同一人である場合には、業種が異なる二以上の部門が場所的に分かれて独立した運営が行われていても、常時使用される労働者の数が最も多い部門の業種に応ずる労災保険率が適用される。
  B 継続事業と有期事業を含む二以上の事業の事業主が同一であり、かつ、厚生労働省令で定める規模以下の有期事業がいずれかの継続事業の全部又は一部と同時に行われる場合において、事業主が当該有期事業の保険関係を当該継続事業の保険関係と一の保険関係とすることについて申請をし、厚生労働大臣の認可があったときは、当該認可に係る事業に使用されるすべての労働者は、厚生労働大臣の指定する一の継続事業に使用されるものとみなされる。
  C 事業主が同一人である二以上の有期事業がそれぞれ他のいずれかの有期事業の全部又は一部と同時に行われ、かつ、それぞれの事業が厚生労働省令で定める要件に該当する場合には、徴収法の適用については、その全部が一の事業とみなされる。
  D 厚生労働省令で定める事業が数次の請負によって行われる場合において、労災保険の保険関係に関し当該事業を一の事業とすることについて元請負人の申出があったときは、その事業が一の事業とみなされ、当該元請負人のみが当該一の事業の事業主となる。
  E 数次の請負によって行われる事業が一の事業とみなされ、元請負人のみが当該事業の事業主とされる場合においても、下請負人の申請に基づき厚生労働大臣が適当と認めたときは、元請負人の諾否に係らず、当該下請負に係る事業については、当該下請負人が元請負人とみなされる。

問題 10.

徴収法第12条第2項に定める労災保険率(以下「労災保険率」という。)で継続事業(一括有期事業を含む。)に係るもののいわゆるメリット制に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  A メリット制の適用を受けることができる事業は、連続する3保険年度中の各保険年度において、少なくとも次のいずれかに該当する事業であることが必要である。 ①100人以上の労働者を使用する事業 ②20人以上100人未満の労働者を使用する事業であって所定の要件を満たすもの ③建設の事業及び立木の伐採の事業であって当該年度の確定保険料の額が100万円以上であるもの
  B メリット制は、その適用を受けることができる事業であって、連続する3保険年度の最後の保険年度の末日において保険関係の成立後3年以上経過したものについて、その連続する3保険年度の間におけるいわゆるメリット収支率を基礎として運用される。
  C メリット収支率を算定する基礎となる保険給付及び給付金の額には、社会復帰促進事業として支給される特別支給金の額(通勤災害に係るものを除いたすべての額)も含まれる。
  D メリット収支率を算定する基礎となる保険給付の額には、特別加入している海外派遣者に係る保険給付の額は含まれない。
  E メリット収支率を算定する基礎となる保険給付の額には、特定の業務に長期間従事することのより発生する疾病であって、厚生労働省令で定めるものにかかった者に係る保険給付の額は、含まれない。