給付ー独自給付

 

独自給付

 

 1.付加年金

 

  (1) 支給要件(法43条)

 

    付加保険料に係る保険料納付済期間を有する者が老齢基礎年金の受給権を取

    得した時に、その者に支給する

 

    したがって、障害基礎年金や遺族基礎年金の受給権を取得しても、付加年金

    は支給されない

 

  (2) 年金額(法44条)

 

    200円に付加保険料に係る保険料納付済期間の月数を乗じて得た額とする

 

    つまり、200円×付加保険料納付済期間の月数

 

  (3) 支給の繰上げ・繰下げ(法28条4項、法46条、法附則9条の2,6項、令4条の

      5,2項、令12条の2,2項)

 

■付加年金と振替加算の支給の繰上げ・繰下げの比較

  付加年金 振替加算
老齢基礎年金の支給を繰り上げた場合 繰り上げる/減額割合:月当たり0.5% 繰上げは行われないので減額の問題はない*1
老齢基礎年金の支給を繰り下げた場合 繰り下げる/増額割合:月当たり0.7% 繰り下げた老齢基礎年金の支給開始時点等から加算が行われるが増額はされない*2

 

*1 老齢基礎年金の受給権者が65歳に達した日の属する月の翌月あるいはその受給権者が65歳到達後に、その者の配偶者が振替加算の要件を満たすに至った場合は、その要件を満たした日の属する月の翌月から振替加算が行われる

 

*2 老齢基礎年金の支給の繰下げ後に、その者の配偶者が振替加算の要件を満たすに至った場合は、その要件を満たした日の属する月の翌月から振替加算が行われる

 

  (4) 支給停止(法47条)

 

    老齢基礎年金が全額支給停止されている時は、その間、その支給を停止する

 

    例えば、障害基礎年金を選択しており、老齢基礎年金が支給停止されている

    場合は付加年金も支給停止される

 

  (5) 失権(法48条)

 

     受給権は、受給権者が死亡した時は、消滅する

 

 2.寡婦年金

 

  (1) 支給要件(法49条1項、(16)法附則19条4項)

 

   1) 死亡した夫の要件

 

    ① 第1号被保険者として被保険者期間に係る保険料納付済期間又は学生納

      付特例期間及び若年者納付猶予期間以外の保険料免除期間を有する者で

      あること

 

    ② 死亡日の前日において、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者

      としての保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が、25年

      (大正15年4月2日から昭和5年4月1日までの間に生まれた者については

      生年月日に応じて21年から24年)以上であること

 

    ③ 障害基礎年金(旧国民年金の障害年金を含み、障害福祉年金を除く)の受

      給権者であったこと*がないこと 

 

    ④ 老齢基礎年金(繰上げ支給の老齢基礎年金を含む)の支給を受けていない

      こと 

 

      *「夫が障害年金の受給権者でなかったこと」とは、現実に年金の受給の

       有無にかかわらず裁定を受けた場合を指す

 

   2) 妻の要件

 

    ① 生計を維持していたこと

 

    ② 婚姻関係が10年以上継続していたこと

 

    ③ 65歳未満であること

 

    ④ 繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権者でないこと

 

  (2) 支給期間(法49条3項)

 

    60歳未満の妻に支給する寡婦年金は、第18条第1項の規定にかかわらず、妻

    が60歳に達した日の属する月の翌月から、その支給を始める

 

    つまり、夫の死亡の当時に妻が60歳未満であっても寡婦年金の受給権は発生

    するが、その支給が開始されるのは、妻が60歳に達した日の属する月の翌月

    からである

 

  (3) 年金額(法50条)

 

    年金額は、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者

    期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間及び保険料免除期間につ

    き、第27条(老齢基礎年金の基本年金額)の規定の例によって計算した額の4

    分の3に相当する額とする

 

    付加保険料については、死亡した夫が納めていた場合でも、その加算は行わ

    れない

 

  (4) 支給停止(法52条)

 

    夫の死亡について第41条第1項(労働基準法の規定による遺族補償による支給

    停止)に規定する給付が行われるべきものである時は、死亡日から6年間、そ

    の支給を停止する

 

  (5) 失権(51条)

 

   1) 65歳に達した時

 

   2) 死亡した時

 

   3) 婚姻をした時

 

   4) 直系血族または直系姻族以外の者の養子になった時

 

   5) 繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権を取得した時*

 

     *旧国民年金法による寡婦年金は、老齢年金等を繰り上げて受給していて

     も消滅せず、選択により一方が支給されている

 

 3.死亡一時金

 

 

 

 4.脱退一時金

 

 

 

 5.特別一時金

 

 

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  付加年金 振替加算
老齢基礎年金の支給を繰り上げた場合 繰り上げる/減額割合:月当たり0.5% 繰上げは行われないので減額の問題はない*1
老齢基礎年金の支給を繰り下げた場合 繰り下げる/増額割合:月当たり0.7% 繰り下げた老齢基礎年金の支給開始時点等から加算が行われるが増額はされない*2